円融寺オーガニックマーケット_

第6章(9)誰でもできるぜ! 有機的マーケット

二○一二年春、俺は東日本大震災を受けて、最もダメージの大きかった農民や漁師救済のマーケット「下北沢あおぞらマルシェ」を立ち上げた。

世田谷は下北沢のカトリック教会には、東北の農家を中心に五十のブースが参加。これが俺の起こした市民主導によるフェアトレードマーケット、AOZORA PROJECTの始まりである。

二○一五年からは、復興支援のみならず「ひと駅にひとつのフェアトレードマーケット!」を合言葉に、目黒区碑文谷の古刹「圓融寺」で「オーガニックマーケットAOZORA」を開催。初年は一万人以上の動員を記録した。

下北沢は教会の庭、目黒碑文谷はお寺の境内。東京のど真ん中にも、有機的に活用できる空間はあるものだ。

 わざわざ、お金のかかる場所を借りて肩身の狭い思いをせずとも、目的を共有できれば、こうした場所を借りてマーケットを起こすコトは不可能ではないのだ。

寺や神社は、地域のランドマークでもある。昔から民衆を集める磁場力を持っている。

外国人も「お寺でマーケット」は大好きだろう。

そこで意義のある「フェアトレードマーケット」が開かれ、音楽やパフォーマンスにあふれる空間作りができれば、人が集まらない道理がない。

人が集まれば、物が売れる。売れれば、参加した人たちがまた参加できる。これが市場の基本だろう。

世の中は、土地にしがみつくがあまり、借り手にリスクを背負わせ過ぎている。それでは経済は回らない。そんなコトは子どもだってわかるだろう。実際、マーケットなら子どもにも売り買いの実践ができる!

マーケットは地域に様々な形で存在する、有機的活動の啓蒙にも活用できる。ある意味、地域活動の博覧会でもある。

俺たちが作る仮想商店街であり、東京の村作りでもある。物の売り買いに止まらず、未来への種蒔きが行われる現場でもあるのだ。

それがAOZORA PROJECTなのだ!

本当に、誰にでもできるんだぜ。

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