第6章(6)人間エネルギーのムダづかいをやめよ!
よく考えてみてくれ。
隣の畑にあるニンジンを買えば済むのに、わざわざスーパーに行って買う。
目の前で育っているニンジンは収穫されると、業者あるいは市場へと運ばれ、そこからさらに業者を経て、廻り回って近所のスーパーに並ぶ。
このムダな遠回りはいつから始まったんだ?
隣の農家とつながっていれば、新鮮なニンジンがすぐ買えるし、お金を百パーセント農家に還元できる。
しかも隣の畑なら、どんな栽培を行っているか一目瞭然。安全を自分の目で直に確かめられるので、情報に対し疑心暗鬼になる必要もない。何より運んだり、包んだりしないので、燃料も要らないし紙やビニールをゴミにせず済む。
これぞ、合理的な人間エネルギーの使い道というものだ。
これは、ありとあらゆるケースにあてはまるはずだ。
送電する電力のロスや、コピーやファックス、取扱説明書など紙のムダ、包装の方法など、身近にキリがないほどのムダがある。黙っていても、人々が何もしなくても、発生してしまうムダと矛盾だ。
しかしこうした状況は、意外と簡単に変えられるのではないだろうか?
仕組みを変えるのではなく、自らの行動を変えるのだ。考えるまでもなく、みんながやれば叶うのだ。
いわゆる「省エネ」や「節約」といった、焼け石に水のくだらない社会啓蒙的な気休めとは次元が違う。
仕組みを変えるために使うエネルギーは膨大だし、いらぬ人間関係の摩擦を生み出すだろう。であれば、黙ってその仕組みに加担しない道を選ぶのだ。
どういうことか?
その答のひとつは、失われた「有機的対話」にある。
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