下北_あおぞら

第6章(8)愛のある売り方を見つけよう

たとえば、東京に店を構えるコトを考えてみよう。飲食でも雑貨でも八百屋でもかまわない。

昔ならたいした金もかけずに屋台や露天を出して、稼いでから店を構える方法もあったが、今はできない。いきなり勝負だ。

俺は失敗して何千万もの借金をつくり、首を吊るハメになった仲間を何人も見てきた。

農業もそうだ。こぢんまりと有機農業をやっている農家は、どんなにおいしい野菜を作っても販路が無ければ収入を得ない。

ハンドメイドな物作りをしている人たちも、ネット販売という手はあるが、それはそれでコストも時間もかかる。知ってもらうための初動にエネルギーと金が必要だ。

業者を通す手もあるが、高いマージンを取られてしまう。

何よりそこには「愛」がない。

そうした人たちが、一堂に会してマーケットを開く。

共通した旗印は「オーガニック」であり「フェアトレード」である。

手作業の多い個人が、企業に勝るためには「オーガニック」でなければならない。

世界が垣根を越えて同じ目的を果たすとすれば、それも「オーガニックな世界」だろう。

同時にフェアなトレードが望まれる。

フェアなトレードとは、発展途上国における作物や製品の公正取引を意味するだけではない。この日本においても、アンフェアなトレードはあるのだ。

特に農業においては、アンフェア極まりない状況が何も改善されずに存在している。

たとえば、GDPにおける農業の割合は全体の一パーセントであるコトを知っているだろうか?

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