見出し画像

【参加レポート①】事業構想ツアー2022冬@亀岡 1日目:亀岡野菜の型抜き陶芸

開かれたアトリエ@亀岡市役所B1

昼食後、「子ども民芸プロジェクト」に参加するべく亀岡市役所地下1階の「開かれたアトリエ」を訪れた。

この施設は、「かめおか霧の芸術祭」を中心に据えた自治体SDGsモデル事業のイノベーションハブとして、亀岡市民、京都芸術大学とその学生によるワークショップを経て整備された施設だ。

カフェ、レストラン、コワーキング、イベントスペース、作品展示、農産物の直売など多様な使われ方をする中で、多くの人々が出会い、イノベーションが創出され、ひいてはSDGsの推進に資する場所となることを目指している。
※出所:「開かれたアトリエ」紹介文

子ども民芸プロジェクトは、かめおか霧の芸術祭から生まれた器づくりプロジェクトで、亀岡の陶芸家や芸術家と共に、こどもたちが一緒になって作業し野菜などを型どり生まれるさまざまな器をつくりだすことを目的として定期的に開催されている。

陶芸家をはじめ、映像作家/葡萄農家見習い、コマ撮りアニメ作家、クラフト作家、工場長、音楽家、芸術家など、多種多様なジャンルの人々がサポートメンバーとして名を連ねており、多くの子どもたちに「手触り感のある経験」という価値を提供している。

※出所:かめおか霧の芸術祭HP

今回行なったワークショップのコンテンツは「型抜き陶芸」と呼ばれるアクティビティで、講師は京都芸術大学であり陶芸家の松井利夫先生だ。

松井先生からのご挨拶も早々に、アクティビティの準備が始まり、事業構想ネットワークと小山ゼミのメンバーは様々な野菜から抜き取られた石膏の型を2メートル四方の作業台いっぱいに並べた。この型に信楽と亀岡の土をブレンドして寝かせた粘土を詰め込み、引き抜き型抜きの野菜を作るという一聴するとシンプルな作業だ。しかし、やってみると奥深い。

実施に土を捏ね、形作るという体験から感じ取れる手触りや温度、力加減、その場で教わった型から引き抜く際の細かい手法などをたどたどしく実行するなかで、作業中の松井先生の示唆深いお話しや、それを受けたメンバー同士の会話が展開される。

こうしたプロセスの中で、陶芸とは轆轤を回すだけでない、このようなものでもあるのかという「手触り感のある経験」を得られるという仕組みである。

こうした経験の後、素人がなんとか作り上げた「野菜の形をした器のようなもの」に松井先生の手が加わわると、みるみるうちに特別な作品かのような仕上がりになっていく経過をみると、実際に自分がやって足りなかったことはなんのかと自然に手元を観察するようになっていた自分に気づく。「手触り感のある経験」が理解を深めるいうことにも非常に納得がいった。

地域とのつながり

途中、ひとりの高校一年生がふらっと合流した。地元在住だそうだ。
この日は12月25日だった施設内の柱に配置されている黒板にデザインされた「Merry Christmas」という文字を書いた後、何をしているのか気になったため我々に声を掛けたという。

せっかくなので型抜き陶芸を体験していったらどうかというこちらの提案を素直に受け入れ、撤収作業まで参加していった。

別れぎわ、松井先生の「またおいで」という言葉に、地域と共に生きているリアルさ、温かさを感じるとともに、「開かれたアトリエ」は市民に十分に活用され、コンセプトがしっかりと浸透していると感じた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?