常人

2年前のちょうど今日、2人のお友達と初めて遊んだ日であることを思い出した

そのお友達2人は
1人が夏は室内でスノボ、冬は温水プールでサーフィンを趣味としている子
もう1人が夏はギター演奏、冬はベース演奏を趣味としている子で
季節によって対称に趣味を分けている、ちょっと変わった2人だった

ご飯を食べに行った際、2人は対称であることにこだわりが強いため
6席あるうちの壁側の右端と通路側の左端の席に座る

この場合私はどこに座ることが正解なのか
受験中よりも煩悶した気がする

試しに通路側の真ん中の席に腰を下ろしてみると
鬼のような形相で2人が睨んできた

隣合うのは間違っていたらしい

ただ真ん中である事は間違いない気がする

無礼ではあるが、一旦机の上のど真ん中で正座をさせてもらう

満面の笑みで2人がこっちを見てきた

たださすがに、机の上での食事はデリカシーがないため1人席に座ることにした

これだと1人でご飯に来たのと同じに感じるが、まあ空気感を楽しむ意味で良しとした

しかしここで更に問題が発生する

ドリンクバーを頼んだ私たちは、何の飲み物を対称に注ぎに行くかで悩む

席と同様に先に選んだ者勝ちでは?と気づいた私は一刻も早くジンジャーエールを注ぎに行く

ジンジャーエールという対称な物が見つかりにくい飲み物をついでしまったことは少し後悔。

私のジンジャーエールを見た2人は
少ししょぼくれた顔で飲み物をつぎに行く

帰ってきた2人のコップには、氷が1個と5個のみ入っていた

対称な飲み物が見つからなかった2人は
私のコップに入っていた3個の氷に敵対視してきた

もはやこれは、いかに対称に出来るかの戦いだ

この戦いに少し慣れてきた私も
白米とピザが頼まれてしまった時は、パスタを選択した

ここまで来るとプロに近い

無事揉め事もなく食べ終わり、帰宅することに

お店を出る瞬間も扉を左右同時に開けてくれたので、ありがたみも感じず気兼ねなく真ん中を通る

帰り道、1人の子がイヤホンを排水溝に落としてしまい、泣くほど悲しんでいたが
もう1人の子が心配していたので
私は対称的に喜んで笑っておいた

倫理観がズレきった1日だった

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