過去問分析②コンクリート標準示方書「維持管理編」に基づく出題傾向

出題が現在と同様の傾向に変わった平成25年(2013)から,令和2年(2020)までの約8年分の問題(Ⅱ-1)を,コンクリート標準示方書「維持管理編」に基づき分類してみました。

維持管理

※1 コンクリート標準示方書「維持管理編」の構造物・部材,道路橋床版の箇所に,凍結防止剤散布下における床版の劣化の記載がありますので,該当すると判断しました。

 Ⅱ-1問題だけで分類しましたが,塩害,アルカリシリカ反応の出題が多いです。また,H25(2013)~H26(2014)の塩害(※H25は塩害下の調査,H26は塩害再劣化の問題ですが)が2年連続出題されている箇所を除いては,連続して出題されていないことが確認できます。

そのため,今年度は,中性化,アルカリシリカ反応,凍害あたりは出ない可能性も考えられますね。疲労,すりへり,化学的侵食も過去8年出ていないので出る可能性は低い気がします。(凍害は昨年急に出題されていますが)

これまで頻出で昨年出題の無かった塩害や,ここ数年出ていないプレストレストコンクリート辺りは抑えておきたいところかと思います。

Ⅱ-2問題でも耐久性の問題はよく出題されるので,各劣化機構別の設計施工時の留意事項や,調査項目は一通り目を通しておくとよいかと思います。また,2018年の維持管理編で水がかりの区分が新たに示されるなど,特に近年は,「水」の作用に対する意識が高まっていますので,水の処理については確認すべきかと思います。

コンクリート標準示方書「維持管理編」では,各劣化機構のメカニズムや,調査方法,調査項目,劣化予測手法,性能の評価方法等,留意点とともに記載されていますので,技術士(Ⅱ-1, Ⅱ-2)問題練習時の教科書的に使えます。

以上,コンクリート標準示方書「維持管理編」に基づく過去問分析でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?