過去問分析①コンクリート標準示方書「施工編」に基づく出題傾向

  出題が現在と同様の傾向に変わった平成25年(2013)から,令和2年(2020)までの約8年分の問題(Ⅱ-1,Ⅱ-2)を,コンクリート標準示方書「施工編」に基づき分類してみました。

示方書上の扱い

※1 スランプを増大させる方法を流動化剤の使用として分類しました
※2 出題意図はひび割れのメカニズムとひび割れ対策ですが,対策はマスコンクリート時の対策と類似することからこの分類としました

 コンクリート標準示方書「施工編」の分類からまんべんなく出題されています。高流動コンクリートや膨張コンクリートは生産性向上の話や,温度ひび割れ抑制対策としてよく答案には書かれるイメージがありますが,それ自体を問う問題としては出題されていないことが分かります。

 水中不分離性コンクリートが平成28年(Ⅱ-1),軽量骨材コンクリートの打設(Ⅱ-2)が平成30年に問われたことを考えると,海洋コンクリートや吹付コンクリートなどは出題されてもおかしくはないのかなと思います。

 近年の建設業界における生産性向上の話や,建設時の品質向上(表層品質の認知度の高まり等,表層品質は平成29年にⅡ-2問題で問われました)への意識の高まりから,やはりプレキャストコンクリート,暑中コン,マスコンの取り扱いはここ8年間でも多く出題されていますね。このあたりはしっかり抑えたいところかと思います。

 コンクリート標準示方書「施工編」には,特殊コンクリート等の主に施工時の留意点等(設計時の配慮事項も記載されていたりします)が多く記載されていますので,技術士勉強時の教科書として役立ちます。

 以上,コンクリート標準示方書「施工編」に基づく過去問分析でした。

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