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批判で燃えないよう気をつけること(私が)

コンサル垢は燃えているか

”推しが燃えた、ファンを殴ったらしい”

「推し、燃ゆ」宇佐美りん

 「推し、燃ゆ」(未読でごめん🙏)はそんな一節で始まるが、コンサル垢もよく燃えている。特にクライアント企業に対して批判的な文面を書くことで燃えたケースを2件散見したので、今回は批判において何を気をつけるべきかを考えていこうと思う。

批判は「Non-surprising」&「Wrong」である

"最も情報が必要になるのは「Non-surprising」「Wrong」の象限です。これは「既に知っていることに言及され、しかも納得感がない」ということを意味します。"

「外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック」山口周

 「外資系コンサルのスライド作成術」ではスライドに必要な情報量を4象限(Surprising/Non-surprising×Right/Wrong)で整理し、そのなかで上記のように述べている。Twitterで炎上しているような批判も対象の表面化している要素に対してネガティブな評価をするから「Non-surprising(既知)」&「Wrong(納得感なし)」に該当し、説明に必要な情報は多いと考えるべきだろう。
 最も情報が必要であるにも関わらず、Twitterでは結構な割合で言いっ放しで事実なのか判断なのか曖昧なまま言及されている。これは1ツイート140字という字数制限や、匿名性を担保するために詳細な事実を記載することが難しいという背景を勘案すると致し方ない部分はある。しかし、批判には情報が多く必要である。情報が不足していた場合、納得感を無くし軋轢を生じさせかねない。そういった事態を防ぐためには事実を基に丁寧な説明が必要である。

(補足)スライドに必要な情報のマトリクスの詳細説明は山口氏の本でご確認ください

それは彼氏くんが悪いね。じゃ、挿れるね・・・

”事実、解釈、アクションをきちんと区別し、
「だから何?」「どうしてそうなるの?」への答えを明確にする。”

「コンサル一年目が学ぶこと」大石哲之

 コンサルタントが必ず読んでいるといっていいほど有名な本のなかで、提案の基本として空雨傘の理論が紹介されている。この3要素さえ整理されていれば説明はぐんと説得力を増すだろう。タイトルを例にとると、以下のように区別できるので、この機会に3要素をしっかり心に刻んでほしい。

事実・空:それ(ファンを殴った、等)
解釈・雨:彼氏くんが悪い
行動・傘:挿れるね

 批判において、上記のうち雨(解釈や意見)ばかりで構成されているものが多いように思う。空(事実)が無ければ「あんたに何がわかるのよ!」と言われかねないため、相手の状況を理解していることを示すための事実(Why so)が必要である。また、傘(推奨するアクション・行動)が無ければ「だから何なのよ!」と反発を招く可能性がある。望まぬ軋轢を生まないためにも、次はどうするべきか、つまりso whatとして「挿れるね」を相手に示し思考を導く必要がある。

利いたふうな口をきくな!と言われないための一手

 Twitterの書き込み程度であれば、これまで書いたことを気をつけるだけで十分であると考える。それは、仮に炎上しても生活に支障がないことや反省して次に活かせるからである。方や、仕事であればもう少し踏み込んで考える必要がある。
 特に、批判的な内容を伝えて相手に行動してもらうためには空雨傘を整理することに加えて空と傘を補強する必要があると考えている。補強することによって、相手にロジックだけではなく感情の伴った腹落ちをしてもらう必要がある。

結局、人間を動かすのはそれが正しいか、間違っているか、あるいはやるべきかどうかという理屈、すなわちロジックではない。やりたいとか、面白そうとか、やらないとまずいなといった気持ち、すなわち感情である。

「右脳思考」内田和成

 右脳思考で言及されているように、たとえロジックが通って内容が整理されていたとしても提案した行動に対してやりたくないと思われてしまっては前に進まない。「言ってることは正しい気がするけど、コンサルさんって口だけだよね(利いたふうな口をきいている)」という状態である。
 そこで、感情の伴った腹落ちをしてもらうためには大きく2つの補強が必要である。まず、①目的や理想像を再確認すること。そして、②行動をするための支援内容を示すことである。

①目的や理想像の再確認

 目的や理想像を再確認するということは、前提を揃えることや行動に対する誘因を提示することで相手に動きたいと思ってもらうプラスの動機づけである。

②行動のための支援

 これは、①とは逆に、行動における障害を取り除き反対動機(≒マイナス)を取り除くという動機づけである。

 これら2つの補強を行うことにより、口だけ達者な批判者ではなく同じ場所を目指して行動を共にする仲間であるとクライアントに思ってもらうことができれば仕事でも十分ではないだろうか。

結局何に気をつけるべきなのか

 色々と考えてみて思うのは、やはり批判は難しいということを心に刻むべきである。特に私のようなジュニアなスタッフにとって危険なシロモノであるため、まずは目的達成のために代替手段がないかということを考えるべきであろう。
 その上で批判が避けられないなら、ロジックの整合性に加えて感情面への配慮を行い、議論を通して建設的な行動の提案と腹落ちにつながるかということに気をつけるべきなのである。

参考書籍(+α)

 今回のnoteで引用したものや個人的に参考になると思うものをざっと載せておきます。(Amazonアソシエイトリンクです)

「推し、燃ゆ」宇佐美りん
選定理由:タイトルが好き


「外資系コンサルのスライド作成術【合本版】」山口周
選定理由:本文参照


「コンサル一年目が学ぶこと」大石哲之
選定理由:本文参照


「右脳思考」内田和成
選定理由:本文参照


「一番伝わる説明の順番」田中耕比古
選定理由:批判を避けるためには意図を正しく伝えられる説明を行うことが重要であると考えるため


「パワハラ会議で学ぶハラスメントにならないフィードバック」外資系うさぎのちょこさん
選定理由:フィードバックと批判は似ている部分があり、SBIの考え方は事実を基に相手に納得して際に重要と考えるため


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