【詩】Cho (日本現代詩人会 投稿欄 佳作作品)
蝶
と
いう
ことばが すき
そらみみ の
ように
舞う
音
その
やわらかい
みちすじ
を
わたしの
まなざし が
歩く
あかるく
あかく
流れ
る
血 の ように
Cho
と
わたし は
つぶやく
その
こころもとない
くち の
かたち
息
が
宿を発ち
皮膚
が
目を閉じる
蝶
が
蝶のいきどまりに、満ちる
真昼の廃墟のように
こんなにも
静かな
肺
とおく とおく
しみわたる
青い謎の
底で
わすれもの と なる
この
からだ
わすれもの である
この
からだ
開け放たれた
窓
から
陽は、射し込み
そんざいの
すべて
に
影を 与える
影、
すべてのものたちの影
このよ で
もっとも うつくしい
空席
日本現代詩人会 投稿欄 第31期 佳作作品
※行間など、投稿時のものから、一部改変しています。
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