【詩】鬼ごっこ

それは、なつのひの朝

とうかんかく に
ならんだ
四角い

ざらざらした
象牙色の
外壁

ベランダ の
シャツ
しろいシャツ
まっしろい シャツ

パパ と ママ

影の
あいだ

朝、
それは朝
傘の、いらない朝

その子ら の
氷ったまま の じゃんけん は
御天道さまに
照りつけられて

こころのなかに
実った 果実を
投げるでも なく
手渡すでも なく
突きだした
その手で
じぶんの
なかへ と

ひとりは
目 をつぶって
ガラス玉のように
じゅんすいな まあいで
数を かぞえた

ひとりは
非常階段を
ひとつ また、ひとつと
昇って
身を潜め
かたく しずかな
宝石となれ

鬼は
ひとり ひとり の
性器のなか

その 遠い 
メトロポリス まで
迎えにゆく

わたしは、あなたを
あなたは、わたしを
追って
つくる
とても
きれいな
円。
、それ
そう、それ
わたしのほしいものは、それ

朝、
それは朝、
それは、なつのひの朝


傘は、いらない


祈りは、どこからやってくるのだろう

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