【詩】大寒

ぼたん雪が
落ちてくる

からだを
大きな空き地にして
空を仰ぐ

目のなかで眠る
口が
めざめ

歯を
剥き出しに
して

ゆっくり ゆっくり
この眼球を
脱ぎ捨ててゆく

いったいの獣

なるのだ

夜は
たぶん
その胸の奥から
明けてゆく


※『現代詩手帖』2021年5月号 投稿欄 選外佳作

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