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いろいろなコンポスト

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noteで紹介した記事を読みやすくするためにマガジンにまとめました。目次としてお使いいただければと思います。
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人と街と自然をつなぐ コンポストのある暮らし ー いろいろなコンポストをたずねて 第一回①

 東京都の郊外、野菜畑の広がる住宅地で生ごみや落ち葉などの有機物を微生物の力で堆肥に変えるコンポストをスタートしてから、はや10年あまり。コンポストから広がる世界に魅了された私は、ダンボールコンポストアドバイザーの資格を取得し、コンポスト講座を開くようになった。講座を重ねるうちに  「もっと、その人のライフスタイルにあったコンポストを提案したい」という思いがわいてきた。そこで、いろいろなコンポストを実践する人をたずねることにした。  noteでは、さまざまなコンポストを実践

第1回 ②コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -ダンボールコンポストの仕組み

空気中の微生物が生ごみを分解  区のコンポスト講座を受講して、その日からコンポスト生活をスタートした私。では、ダンボールコンポストの仕組みについて説明してみたい。  用意するものは  ・ダンボール  ・基材 (ココピート【ココナッツの皮を砕いたもの】とくん炭【もみ殻を炭化したもの) たったこれだけだ。ほかに促進剤やぬかなどを入れる必要もない。この中に、毎日、生ごみを入れてかき混ぜるだけで、堆肥ができる仕組みだ。  ほかに ・ダンボールの下の通気をよくするための網台(1

第1回 ③コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -驚くべき堆肥のチカラ

ゴーヤーを200個収穫! コンポストは、毎日かき混ぜているだけでも楽しい。でも、コンポストの面白さは、自分で作った堆肥を使って植物を育てることだと思う。  コンポストを初めて半年。早速、できた堆肥を使って、ゴーヤーの苗を育ててみた。するとぐんぐん枝を伸ばし、7月下旬には、立派な緑のカーテンが完成! あまりに葉が茂り過ぎてベランダに面するリビングが暗くなったほどだった。収穫したゴーヤーをなんと200個あまり。ほぼ毎日、ゴーヤージュースを飲み、ゴーヤーチャンプルを作り、ご近所

第1回 ④コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -コンポストで生ごみ削減

一箱で45kgの生ごみを堆肥化  私のダンボールコンポストの場合、1箱で約45kgの生ごみを堆肥化できる。例えば、毎日、生ごみを約500g投入した場合、約3ケ月入れ続けることができ、約1ヶ月の熟成期間を経て堆肥化できるという仕組みだ。私の家では、毎日出る生ごみは200g~300g程度。およそ半年ごとのサイクルで新しいコンポスト基材に変えている。 生ごみの9割は水分! 世界の7割を占める日本のごみ焼却施設  コンポスト講座では 「そんなに生ごみを入れて、ダンボールがいっ

第1回 ⑤コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト -生ごみ削減だけじゃないコンポストの魅力

 ①~④で紹介したように、コンポストはじめてみると、生ごみ削減や堆肥づくり以外の、さまざまな発見や気づきがある。コンポストから広がる世界。そこがコンポストの面白さだと思っている。 私なりの気づきや発見をいくつか紹介したい。 種のチカラ、種のミライ  春になると、堆肥を入れた土から、カボチャやトマト、ゴーヤーやメロンなど、さまざまな植物が芽を出してくる。これは、生ごみとして入れた野菜の種が、発芽したもので、植物の種のチカラ、力強さに驚いてしまう。特にカボチャは土の奥底からグ

第1回 ⑥コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト ベランダは生き物たちの小宇宙

いつでも植物に触れられる喜び  区民農園で5年間、その後ベランダで10年あまり野菜や植物を育ててきたが、私のようにズボラな人間には、ベランダというちいさな空間で、植物を育てる方がちょうどいいのではないかなと思っている。  というのもベランダは、一歩出るだけでいつでも植物に触れられる、観察できるということがなんといっても楽しいし、楽ちんだ。畑に行くためによっこらしょ!と野良着に着替えてわざわざ出かける必要がないのもうれしい!    それに植物は、朝、昼、晩と時間ごとの変化は

第1回 ⑦コンポスト、私の場合  ダンボールコンポスト 人と街をゆるやかに繋ぐコンポスト

ダンボールコンポストアドバイザーの資格を取得  こうして(①~⑥)、ひとり気ままにコンポストを楽しんでいたある日、仕事でお世話になっているサンケイリビング新聞社編集部のMさんとランチに出かけたところ  Ⅿさんに「今、はまってるものとかあるの?」と聞かれた。 私は「はい、それはもう、コンポストですよ。いやーもう面白くって」。と、コンポストのすばらしさを力説。おそらく楽しくってしょうがないという気持ちが弾けていたんじゃないかと思う。すると Ⅿさんが「じゃあ特集にしちゃえばいい

第2回 きっかけは山登り。キャンプでの暮らしを日常に虹野朝子さん ― 回転式コンポスト・木枠コンポスト

 いろいろなコンポストを実践する人やグループを訪ね、そこで出会った人々の生き方や社会、自然とのかかわり方を綴るnoteでの連載。  初回は、行きつけのカフェの常連さん仲間、虹野朝子さん。山登りが趣味の朝子さんは、夏には東京の暑さを逃れ、サクッと上高地へキャンプにでかけていく。キャンプ用品は自宅でも大活躍! 休日には、庭に折り畳みチェアを広げて、バーナーを使ってコーヒーを淹れてみたりと、ピクニック気分を楽しんでいる。そんな朝子さんが、庭で回転式のコンポストを使って生ごみを堆肥化

第3回 植物を通して地域と和やかに繋がる金森豪雄・貴恵さん ― みみずコンポストから土の微生物コンポストへ

コミュニティカフェを彩るグリーンカーテン 青々とした大きな葉っぱが茂る蔓先には、コロンと可愛らしいカボチャの実(写真右)。宙に浮くカボチャの愛らしい姿に、通りすがりの人も思わず足をとめてしまう。  文京区千石にあるコミュニティカフェ『風のやすみば』の軒先には、カボチャや茄子、トマトといった夏野菜をはじめ、1年を通して四季折々の花々が植えられている。玄関前の小さなスペースながら、緑がある空間は、カフェに集う人々はもちろん、街を行きかう人々の目を楽しませている。  プランタ

第4回① ミミズと微生物、ウジ虫の力で生ごみを分解 東京農工大 農学部ミミズコンポスト管理局

第3回でお話しを聞いた金森さん宅で、ミミズコンポストのお話しを伺ううちに、「ミミズコンポスト」への興味がわいてきた。 英語では、「ミミズ」をearth wormという。直訳すると土・大地を這うように進む。まさに土を耕す生き物のことだ! 『進化論』の著者チャールズ・ダーウィンは、晩年をミミズの研究に捧げたという。かのダーウィンが夢中になった「ミミズ」。もっとミミズの世界を知りたい!  そんな時、東京農工大学農学部に、「ミミズコンポスト管理局(通称・ミミコン)」という自主ゼミナ