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ことのはいけはな 寒露 第49候『鴻雁来』

巣抱く日の母なる鳥の翼待ち聖なる命掃き清めるしか

夜は母青黒き母すべからく眠りの翼歌を歌いつ

在りし日の大きな翼安まりて廃墟の奥に密やかな森


光塵に白き翼をもつ人の羽毛の混じるまだ温かい

雁金の恋の渡りを鳴く鹿の静かになればもっと静かに

雁金の恋の渡りを心臓へ落ちるもみじも潜もる虫も

雁金の恋の渡りを死ぬほどに飛び散るもみぢ雨駆けくだる

雁金の恋の渡りもおしえてよ鹿子まだらのあざやかな森

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