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ことのはいけはな 小満 第24候『麦秋至』

お花屋さんへ

年上のお友達の誕生日にブーケをあげたいから


目に飛び込んできたのは簪のような蕊が花火のように色っぽい和芍薬

金沢から届いたという

次に見つけたのは山紫陽花 

ひかるむらさき


濃いふた色の蛍光を 紛らかしてあわいを繋げていくように

京鹿子のつぶつぶ蕾はベビーピンク、撫子のはなびらは羽毛、乙女百合のうつむき加減に花粉をかくまう

それにナルコユリの花びらのように真っ白い斑、

包むようにうるいの葉


於母影がもうこれで立っている

不思議なことに ぴったりといろんな彼女が立っている


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綺麗なガラスの花瓶にたっぷり水を入れて、

束ねたものをまた飾る


明日の午後、彼女はどんな顔をするだろう

大事な人に

こころの聖域を 真っ直ぐな

マリアの穂麦のごとく

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明日彼女は花を抱えて

二人のマリア

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