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ことのはいけはな 処暑 第42候『禾乃登』

奇稲田姫はたなびく田のように涼やかで美しく、黄金の実りをもたらす豊穣の女神だ。
その夫(つま)は素戔嗚尊。その名の通り凄まじい勢い、エネルギー、稜威の神だ。稲の妻は稲妻。素戔嗚尊は雷神だ。素戔嗚尊は海と冥界を司るから月神でもある。

*少年は神とはなりぬ青墓の秘められた場所夏の日暮るる
*青墓の尾根歩きては蹲るおおきけものの脊椎かぞふ
*残照に青墓守る月の木の森まっさきに黒くなりぬる
*日が落ちて光は闇という家に帰りて眠るひとつになりて
*おかえりとひとに言う夜ほっとして小鳥のように目を閉じている


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