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ことのはいけはな 寒露 第51候『蟋蟀在戸』

冬の来て夜よりわかれ空は空立木は未だ夜から出でず

冬きたり夜よりわかれ空は空昼の時間をかぞえはじめる


十三夜月見て右目洗いたり体の底のいづみなみだつ

十三夜銀色の月雨上がりコクンと喉に滑りて落ちる


秋月夜右目に月を戻したり頭蓋の中に光初めてき


寒空の月を右目に戻しては瞼が少し腫れぼったくて
寒月を水に映して目を洗う月吠え猫の喉を鳴らして


明け染めて虫の声の輪せばまりて鳥たちの声風の木揺らし

うす寒き初冬の青きあけぼのに歌すずめたち今日はハレの日

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