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ことのはいけはな 夏至 第29候『菖蒲華』

6/26-7/1

この頃に花が咲くのは日本在来とされる「野花菖蒲」かサトイモ科のお風呂に入れる菖蒲(花屋さんでは「ニオイショウブ」という)だと思う。

寒いところだとまだ咲いているのだろうか。


ニオイショウブはサトイモ科だから、花はとても地味。石菖とか、尾瀬で有名な水芭蕉とか蒟蒻とか、アンスリウムとかの花を見ると肉穂花序という花らしくない棒状をしている。


   *満月や 匂い菖蒲の 花おきる

野花菖蒲は繊細さと野性味を併せ持つ花である。媚びない感じが良い。
数年前、夕映の中で焔のように燃えるような色をしていたのを目撃した。いや、もしかするとどこかで文章を読んだか、歌から立ち上った光景が記憶に定着したのかもしれず。日本には多分あまり残っていない風景だろうから。

  *身を焦す 花の火焔よ たそがれの 棚田の水の 青き夕空 


花を生けることを続けていて、今日ふと浮かんできた想いを歌に。。。


  *世の中に 花の無ければ ことさらに こぼれるこれを いかがするらむ   

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