見出し画像

ことのはいけばな 立冬 第55候『山茶始開』

角川武蔵野ミュージアム開館1周年のイベントの一つ、ダイダラマルシェで江戸時代より続く三富農法で作られた旬の野菜をブーケにしてほしいという依頼に果敢に挑戦!「屋敷ー畑ー雑木林」という、木を植えてその落ち葉堆肥で土を滋養あるものとして農作物を作るその環境を守り続け、美味しい野菜が生まれてくる。その営み、風土をインスタレーションとして、会場の壁面に描かれたダイダラボッチに捧ぐ。野菜は手馴染みがなく、朝採りで土付きのものも多く、難儀したが、色っぽさ、キュートさ、力強さ、精霊っぽさ、土偶が象ったのもよくわかる。しかもうまい。”yummy!bouquet & swag”と名づけ、挑戦を続けていきたい。特に今回インスタレーションの目玉の一つにと思ったのが里芋。丸ごと丁寧に掘っていただいて、角川の皆さんと一緒に赤ちゃんを運ぶように。小芋孫芋が落ちないように、どうにか器に据えた。乗ってくれた。葉っぱも立っている。これはやはり神様です。土偶が生まれた訳もわかります。野菜の精霊がはるかな時空をダイダラマルシェに結んでくれました。
畑にて
焚き火には少し早いか山茶花の垣根も遙か土の色濃き

里芋の 精霊の貌たたなずく 腐葉土の層黒く清らに

夕風の 里芋畑振り向けば 深々とした腕に抱ける
紅あづま 芋づる式に連なりて 大地母神の乳房のごとし

長葱の 青さ白さよ根の国の 月夜に延びて育つという

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?