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トモさんありがとう!~ラグビートップチャレンジリーグ観戦記~(20/1/19@秩父宮ラグビー場:東京)

※この記事は20年2月23日に更新しました。

どうもー!コンパクト漢飯です。

来る1月19日、元ラグビー日本代表のトンプソン・ルーク選手の引退試合が秩父宮ラグビー場にて行われました。

トンプソン選手は07年から列島を沸かせた19年大会まで4大会連続でワールドカップに出場した、現在38歳の鉄人です。スゴイですよね。

彼は2006年から東大阪を拠点とする「近鉄ライナーズ」に所属。通称”トモさん”の愛称で親しまれており、愛嬌のあるキャラクターと人柄からファンが多く、とても愛されている存在であります。かくいう私も15年大会で体を張ってチームの為にハードワークを厭わない彼の姿にがっちりと心を掴まれたファンの一人です。

そんな彼の最後の試合が秩父宮で開かれるとのことで、寒空の下秩父宮で観戦をしてきましたので、ここでは当日の雰囲気やゲームについて、観戦記を書いていこうと思います。

正直に申し上げると行くまでは若干の不安がありました。

トンプソン選手が属するチームはトップリーグとは異なり、トップチャレンジリーグと言われる、いわば下部リーグの試合です。二部リーグということで、あまりレベルが高くないのではないか、先週トップリーグの試合を見て一流選手の一流プレーを見た直後に果たして楽しめるのだろうか・・・

それにあまり知らない選手がほとんどだし・・・人もあまりおらず盛り上がりにも欠けるのではないか・・・

そんな不安もありつつ、まぁトモさんの最終試合だし、ということでチケットを購入し、いざ現地へ・・・!

①会場入り口の様子

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秩父宮に到着!

↑はメインスタンド側の有名な銅像ですね。秩父宮雍仁親王の像です。

その横にはトップリーグの大きなポスターや、サンウルブズの2020年の試合日程表が飾られていました。

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メインスタンド側の会場入り口には試合を行うチームのグッズが売られているブースが多くあり賑わいを見せる中、こんなボードも!

これは近鉄ライナーズのトンプソン選手(左)と、オーストラリア代表として70キャップ以上を誇るクウェイド・クーパー選手(右)ですね。

こんな感じで写真を撮れる場所もあり、会場入り口はとても賑わっていました。

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そしてトンプソン選手に向けた感謝の言葉を書くボードもありました。

この言葉の数々を見るだけで、皆さんの愛が伝わってきますよね。


会場外の雰囲気を満喫したところで、いざ会場の中へ!


②1試合目の会場の様子

・・・

あれ・・・?

人めっちゃおる・・・!

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見てくださいこのバックスタンドを。

トップリーグとほぼ変わらないこの盛り上がり様です。

最初はトモさんの人気はさすがだなぁ、と思っていましたが、でも大盛況の理由はそれだけでは無かったんですよね。

この日はトンプソン選手の所属する近鉄ライナーズ対栗田工業ウォーターガッシュの試合前にもう1つ、釜石シーウェイブスRFC対清水工業ブルーシャークスの試合が組まれておりました(RFC=ラグビーフットボールクラブ、企業に属するチームではなく、クラブチームです)。

自分は最初の試合の途中くらいに競技場に到着したのですが、その時点ですでに会場の熱気がスゴいんです!

あくまで私の肌感覚ですが、トップリーグの試合よりも応援に熱があるように感じられました。釜石の応援スタンドには多くの大漁旗が!

自分は清水工業側のベンチから観戦をしていたのですが、老若男女問わず多くの方が声を上げて応援をしており、釜石に負けじとこちらもとてもアツい方が多かったです。横のお兄さんは怒号に近いテンションで応援をしていました・・・w

トップリーグと違い、少々マイナーな二部リーグであるが故ににわかと呼ばれるファンの方もそれほど多くなく、その分本当にラグビーを、そしてそのチームを愛しているファンの方が多いんでしょうね。だからこそ、この熱量なのかなと感じました。

そんなこんなで最初の試合は38-36と大接戦の中、釜石の勝利で幕を閉じました。


③二試合目の会場の様子

そしていよいよトンプソン選手属する近鉄の試合です!

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↑近鉄ライナーズの練習風景です。

練習中にトンプソン選手が登場してからというものの、会場はこの日一番の盛り上がりでした!

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↑ラインアウトにジャンパーで参加しているのがトンプソン選手です。

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そしていよいよ試合開始!グラウンドに最初に入場したのがトンプソン選手でした!

会場からは大きな拍手が巻き起こりました。

試合内容はというと、近鉄が凄まじい強さを見せ、終始相手を圧倒することに。

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↑この試合中、なんとトンプソン選手がトライ後のコンバージョンキックを蹴ることに!

なんでもラグビー界では引退をする選手にコンバージョンキックを蹴らせるという文化があるらしく、特に海外ではその傾向が強いとのこと。

近鉄の選手たちの粋な計らいが最初にして最後のトモさんのキックを演出することに。


ちなみにこの日トンプソン選手は2本のキックを蹴り、うち1本成功!

思ったよりも上手で驚いていたのですが、元日本代表の大西さんのTwitterを見ると、なんと2007年大会の時は2番手のキッカーだったとのこと!なるほど上手いわけだ。こなれてる感じもありましたしね。


そんな盛り上がりを見せつつ、試合は74-0と近鉄の圧勝で幕を閉じました。


④トンプソン選手引退セレモニー

そして試合後にはトンプソン選手の引退セレモニーが開かれました。

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↑インタビュアーは長年トンプソン選手と親交のある村上晃一さん。

ほのぼのとした雰囲気の中でインタビューが行われましたが、マイクの音声が小さく、何を話していたかはあまり聞き取れず・・・

ただ、いつものようにつたない日本語で一生懸命感謝の言葉を述べるトンプソン選手の姿を見て、もうこの姿がしばらくは見れなくなると思うと、無性に寂しさを感じたのでした。


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↑インタビュー終了後には両チーム合わせての記念撮影。ノリのいい外国人選手が多いからか、いい意味でとても騒がしかったです。笑

その後トンプソン選手が挨拶回りにグラウンドを一周、最後までファンの皆さんに感謝の念を伝えていました。

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↑グラウンドを去る寸前です。もうこの勇姿は見られないのか・・・

ベンチ裏には元日本代表の大野均選手の姿があり、モニターに映った時には大きな歓声が上がっていました。2015年の南ア戦ではトンプソン選手とともにロックとして活躍。長年苦楽を共にしてきた二人の間には深い友情があるのでしょう。大野選手と話している時、トンプソン選手がとても喜んでいたのが印象的でした。


⑤まとめ

というわけで、寒空の下ではありましたがトンプソン選手の競技人生最後の姿をしっかりとこの目に焼き付けてきました。

この試合にはトップチャレンジリーグとしては異例の約1万5千人弱の観客が集まったそうです。この人数からも分かるように、トンプソン選手はとても愛されているんだなぁと改めて強く感じました。それは会場での多くの声援であったり、応援用の横断幕、メッセージボードの数々であったり、様々な形で、会場の至る所に顕れていました。

はじめは一外国人に過ぎなかった彼が、ここまで愛される所以は、この日の彼のプレーを観ていれば自然と分かりました。

最後に本当にいいものを観れました。

トモさん、今までお疲れさまでした。たくさんの感動をありがとう。

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※最後に・・・↑は会場で先行発売されていた本です。トンプソン選手の生い立ちから今に至るまでのヒストリーや、ともに戦ってきた選手たちからのメッセージと、今まであまり知られることのなかった情報が多く収録されており、ファン垂涎の1冊となっています。


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