2023年7月にみたもの

映画館
インディージョーンズと運命のダイヤル
ウーマントーキング
怪物
クロース

配信
ニモーナ

怪物とクロースに関してはかなり内容に踏み込んで言及するのでネタバレあります。


インディージョーンズと運命のダイヤル
昔金ロー、土曜日曜洋画劇場で見たかも…くらいの記憶感で全然前知識なかったんで楽しみきれてない部分があったとは思うんですけどおもしろかったです。
ラストから急にドラえもんが始まるんですよ…何を言ってるか分からねぇと思うが…ほんやくコンニャクがいらないんだなぁ…。

ウーマントーキング
アカデミー賞脚色賞受賞作品。
大昔の話かと思ってたら最近だったという話だけ聞いてたんですがまさか実際の事件も10年ちょっと前の話でびっくりしました。
実際の村の成り立ちや、宗教的な背景はほぼ見えないし加害者側の男の姿もほぼ見えません。キリスト教の封建的な男社会村ということが分かるくらい。映画を見終わってから調べてみるとメノナイトという超保守の特殊な宗教形態を持った村の話だったんですね。
実際作品を見てみるとそこの特殊性にはとらわれない普遍的なメッセージ性があって大変よかったです。
村が嫌で一度母親と出て行ったベンウィショー扮するオーガストが、村の外での暴力性に触れ絶望して帰ってきたにも関わらず村でのその側面に触れてとろうとしていた行動や女性たちにかけられる声に思わず涙がこぼれました。
暴力を受けても、前へ前へただ進むだけという未来を見据えたラスト大変胸が打たれます。

怪物
結論から言うと作品に対する全体的な気持ちは怒りでした。
作品自身を否定しているわけではなく、作品自身に内在する要素からくる感情だとは思うんですがそこに対してのエンディングにしてはあまりにも惨いんじゃないか?そしてきれいごとすぎるのではないか?と疑問に思いました。あまりにも救いがない。生まれ変わりについて何度も言及していましたが彼らが行き着いた先が生まれ変わった彼らを受け入れてくれる世界だとは思えない。やるせない。
実際彼らが生きていたその時取り巻く環境は彼らにとって辛かっただろうけども、母親と先生にもっと早く伝えていれば、あの二人なら寄り添ってくれたのにとどうしても思ってしまいました。私自身が大人の立場だからこそだと思いますが。
なによりほり先生が一番の被害者すぎてボコボコに殴られてました。
多分自殺してしまっていたら、あそこで見捨てた彼女は悲劇のヒロインぶった顔で葬式にくるんだろうかとか、彼を犠牲にした他の教師も痛ましい顔をして彼の死を忘れていくんだろうかとか一瞬で色々考えてしまい溶けそうになりました。
この作品の下地にある一番嫌なところって根拠、ソースのない噂話を普段は信じないかもしれない、あるいはその人となりを知っていれば笑い飛ばすような内容であるはずなのに自分が置かれている状況や心理状態でそれを使いあたり傷つけてしまう現象もあるんですが、その噂を流す側の人たちの愚かさ、そして別にそのことが珍しくないところに無駄に傷つきます。

クロース
親友の少年二人の思春期特有のすれ違いから一度離れた心を近づけていく話…と思って見に行ったらぐっさぐさに刺されて死にました。
実際映画公開二日後に公式からの注意喚起があったみたいですが私はそれを確認せず見に行ったのでかなりショックを受けました。
以前怪物でその点に対する問題提起がされていた上に、今回はしっかり自死の描写があるためよりショッキングです。
インタビューで読みましたが他社が親密性を測る暴力性が本人たちには悪気がない、何気ない質問でまざまざと描かれています。
パートとしては前半パートと後半パートとして分かれる構図になっていると思うんですが、後半のレミのいなくなった世界で残された側の苦しみは続きます。でもレオにはすべてが話せるわけではなくても苦しさや不安を慰めてくれる兄がいて、レミにもそういう存在がいればあるいは後はならなかったんじゃないかとか考えながら見ていました。
レオの、レミの母親への告白は勇気がいることで、レミの母親は一生レオのこと許してあげられない心とそれでもレミの親友として、自分の幼い友人として、家族にも似た愛情を持っていた時間はたしかにあったという葛藤で苦しむんだろう、その結果息子とその親友と過ごしたこの町から離れる決断をしたんだろうと私は受け取りました。苦しいです。
体の傷(骨折)は癒えても心はすぐには癒えません。一生癒えないかもしれません。ラストに残るのは後悔と虚しさだったと思うんですが願わくばレオの優しい家族とともに生きていって欲しいです。

ニモーナ
おすすめされたので視聴。前情報いっさい知らなかったのでOPでえ…あ…付き合ってる…!!!!!!!!って大喜びしたんですがそことは別の差別についての苦しみや戦いの話だったなぁ~となりました。
ディズニーが蹴ったらしいですがなんで蹴ったんですかね。LGBTQ作品だから???
全体を通しての評価は素晴らしい作品だな~とは思うんですがどうしてもラストの流れとしては自己犠牲や成果がないと居場所がない側の居場所は生まれないのか、という普遍的な問題でした。

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