デジタルトランスフォーメーションとCSV・SDGsの関係
デジタルトランスフォーメーションとは
ガートナー社のデジタルトランスフォーメーションの定義は以下です。
企業内のIT利用は三段階ある。
1.業務プロセスの変革
2.ビジネスと企業、人を結び付けて統合する
3.仮想と物理の世界を融合して人/モノ/ビジネスが直接つながり、顧客との関係が瞬時に変化していく状態が当たり前となる
第3段階の状態をデジタルビジネスと呼び、「仮想世界と物理的世界が融合され、モノのインターネット(IoT)を通じてプロセスや業界の動きを変革する新しいビジネスデザイン」と定義しており、このデジタルビジネスへの改革プロセスを「デジタルビジネストランスフォーメーション」と定義している。
デジタルトランスフォーメーションの落とし穴
コロナ禍の影響を受け、リモートワーク推奨をはじめデジタルを活用した働き方が注目を集めている。
一方で、アナログの業務をデジタルで行うだけで「デジタルトランスフォーメーション」をしたというように考える人も多い。
本来のデジタルトランスフォーメーションを完遂するには、アナログのデジタル化という考え方ではなく、デジタルを活用したビジネストランスフォーメーションをしていくということが必要となる。
そのためには、会社の在り方・活かし方という俯瞰した視点から見直し、その目標を達成するために最適な方法を取捨選択していくことが求められる。
会社の在り方・活かし方を考える
「株主を重視した」自由主義・グローバル資本主義を前提とした時代から、CSRやSDGsを意識した会社の在り方にフォーカスした時代いわゆる「資本主義4.0」へのトランスフォーメーションを意識する必要がある。
2000年代、2010年代は欧米主体の資本主義が隆盛を極めていた時代であった。
しかし、2020年代は、欧州で「幸福」や「社会課題」の解決にフォーカスをした、CSVやSDGsを意識した会社の在り方から考えることが主流になってくる。
そのため、デジタルトランスフォーメーションを成功させるためには、先んじて企業の在り方・活かし方の見直しをしていくことから始まる。
ボランティアのマネジメントが重要
コトラーのマーケティング4.0では、顧客の自己実現を目指すマーケティングを行うことを目指し、ティール組織では、社員の自己実現をサポートすることでマネジメントしていく。
必要だから、モノを買う時代、お金を稼ぐために働く時代から、自己実現に必要だから物を買う、働く時代への転換期に必要なのは、やらないことが前提の個人に関心をもってもらう「ボランティアのマネジメント」の考え方が必要になる。
社会・社員に会社の在り方を示す方向を前提にしていかなければ、顧客や従業員の心を掴むことは難しいだろう。
社会にどういう価値を提供できるのかの視点から会社をトランスフォーメーションし、その視点で最適なデジタルツールの選定・活用を通してビジネストランスフォーメーションをしていくことが必要である。
それが今の時代に必要なデジタルトランスフォーメーションと言えるのではないだろうか。
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