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日本語ができるからといって…

日本語は超優秀。
でも、日本文化や社会と関わろうという気持ちは薄めのAさん。
日本語は微妙。
でも、好奇心旺盛で興味の幅が広く生活を楽しむことができるBさん。

こんなタイプの二人。
実在のお二人の話です。

相手とある程度深く関わることは僕の仕事の一部でもあるので、自然と彼らに踏み込むことが多くなります。
どうして? どうしたい? どうなりたい?それにはどうすればいい?

上記のお二人は、お気づきのように全く違うタイプ。
どちらにもストロングポイント、ウイークポイントがあります。

日本語の面から言うと、
できるに越したことはありませんが、言語というのはできるだけでは意味がありません。どれほど上手でも。

また社会への関わりの面から言うと、
生活を充実させれば言語習得にも効果が出やすいですが、これだけでもやはり限界があります。

では、どうすればいいのか?

大切なのは目的とバランス
結局、「目的はなにか」によってバランスを考えるしかないんだと思います。
高い日本語力と切符(資格)が求められる仕事を望むなら日本語を磨くことに比重を置けばいいですし、経験や人柄、将来性、スキルが重視される仕事ならどんどん体験を積んでいけばいい。

要は、なんのためにやっているか

上記の二人のうち、日本語が優秀な方は今後の身の振り方にかなり悩んでいます。一方、好奇心旺盛な方は自分の日本語については気にせず、やりたいことに向かって邁進中。
異文化でやっていくことを考えたら前者の方が心配になります。

「仕事」を見据えた場合、武器が日本語しかない。
でも、必要以上に日本社会に浸かることも考えていない。
そうなると、言語だけに長けていても仕事につなげるには厳しいという現状に直面することになります。

こういう方とは、持っている日本語力を生かす方法を一緒に探すところから始めます。少しずつ遡っていきながら、また少しずつ話題を広げながら着地点になりそうな「目的」をクリアにしていく作業です。
これを言語学習と同時進行で行います。

そうしないと、「日本語勉強しました。上手になりました」で終わってしまうんですね。で、その後は何も起こらない…

言葉は使うことで楽しさも増し、それ以外で得るものも多くなります。使う機会を増やすという意味では、社会と関わりを持つのは何よりも近道になります。でも積極的に関わる姿勢がないと、ただの「宝の持ち腐れ」で終わってしまうことも。

インプットとアウトプットの考え方にも共通している気がします。

ということで、やはり「言語は手段」ということが、僕の実体験からも言えるようです。

言語学習に関わる方の一助となれば幸いです。

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