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「ダイキン、大阪万博の会場に休憩所 氷で5度冷やす」に注目!

ダイキン、大阪万博の会場に休憩所 氷で5度冷やす - 日本経済新聞 (nikkei.com)

ダイキン工業は22日、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の会場内に休憩所を設置すると発表しました。太陽光パネルで発電した電気を利用して氷をつくり、休憩所内の壁面に氷のパネルを設置します。エアコンを使用せずとも外気温より室温を5度程度低くできるといいます。夏場の熱中症対策などとして活用を見込みます。

ダイキンの休憩所「氷のクールスポット」は万博会場の西側、1周約2キロメートルの「大屋根(リング)」のすぐ内側に設置します。延べ床面積は約70平方メートルを予定し、室内には約30人が腰かけることができるベンチを置きます。2025年4月13日の開幕以降、来場者がいつでも利用できるようにします。

業務用の空調製品として販売もしている「氷蓄熱(こおりちくねつ)」の技術を応用します。屋根に設置した太陽光パネルを通じて発電した電気を蓄電池にためておき、その電気を使って夜間に氷を生成します。氷は室内を囲うように壁面に設置することで、氷が解ける際に周囲から熱エネルギーを奪う原理をつかって室内を冷やす仕組みです。真夏の時期にはエアコンも併用することで一定の涼しさを維持します。

休憩所は木造で、木材を格子状に配置することによって室内が閉鎖的にならないように工夫しました。ダイキンは「大阪・関西万博のシンボルとなる大屋根から見下ろした時にも、自然と溶け込んだデザインにしている」と説明します。

大阪・関西万博は、夏場を中心に開催されることから会場での暑さ対策が重要な課題とされています。ダイキンは自然エネルギー(太陽、地熱、風、潮汐流といった自然現象によって得られるエネルギーの総称)を利用する空調システムにより、環境にやさしいサステナブルな空調システムを提供します。

今回の休憩所「氷のクールスポット」は、氷や雪を貯蔵することで冷温貯蔵庫として用いられてきた昔ながらの氷室(ひむろ)から着想を得ているそうです。氷蓄熱空調の技術を応用して生成した氷の冷輻射(温度の高い物体(人)から温度の低い物体(氷)に赤外線を介して熱が移動する現象、熱を奪われた人は冷感を得ることができる)により、木陰に入ったときに感じるような涼しさが提供できるとのことです。氷の生成には太陽光パネルで発電した電気を一部利用するなど、環境に配慮した仕組みを取り入れています。壁には日本古来の木組み格子を使用し、屋外にいるような雰囲気を感じることができる開放感のある構造にしています。屋根には意匠性の高い太陽光パネルを搭載し、自然と調和したデザインにしています。

また、氷パネルは表面を透明なアクリル素材にすることで、間近に氷の壁を見ることができ、視覚でも涼しさを感じることができるように工夫しています。

万博開催まであと233日。ダイキンを含む多くの取り組みに期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。