御茶ノ水より。

浪人生活がスタートして2週間が経とうとしている。
毎日つくづく現役時代にいかに考えが甘かったかを改めて噛み締めている。そして年齢＋2年分という妙な劣等感。進学した人たちが妬ましく羨ましく思える。
一方では週休2日に喜んでいる自分もいる。加えて木金は10:00から授業がスタートするという。これでは現役時代と言うより留学時代に逆戻りだなんて一人でニヤニヤしている。

通い始めてからまだ2週間だが、御茶ノ水というのはつくづく面白いところだと思う。
駅の両脇に毛色の違うお寺が二つもある。そもそも湯島聖堂が駅のほとんど真裏にあるということを知らなかった。そしてこの二つのお寺を繋ぐ橋に「聖橋」という名前を付けた人のセンスの良さよ。

狭いところなのに何故か何本もクレーンが屹立している。土地そのものだけでなく中央線のホームすら耐え難いほど狭いというのに件のホームの上には赤と白のだんだらに塗られた巨大なキリンが2頭雁首揃えている。

駿河台を下ればすぐ神保町なのは嬉しい限りだ。（そうとは言っても、今ここで神保町に足を踏み入れたら最後もう1年御茶ノ水に通わなければいけなくなりそうなので、なけなしの自制心をフルスロットルにしている。今のところは。）

予備校暮らしはそんなに面白いものでもない。浪人生から発せられる独特の鬱屈した空気にようやく慣れてきたところだ。この中に一年もいたら自分もどうなってしまうのか、却って興味があるくらいだ。

とりあえず今のところはこれでいいのだ。何と言っても「下り方面じゃなくて上り方面に通いたい！」と4年間言い続けた、その悲願が叶ったのだから。