プロセスマイニング完全に理解した
本記事はUiPath Advent Calender 2022の19日目の参加記事です
はじめに
UiPathジャパン ソリューション本部でソリューションアーキテクトをしているまなです。プロセスマイニングについて、分かった気になれる記事を書きました。
プロセスマイニングとは
とあります。みなさんご自身の業務フローの全体像を実際に把握できているでしょうか。一つの業務をとっても、担当者の熟練度次第でフローが違ったり、全ての業務フローがしっかり定義されていることは多くはないのではないでしょうか。業務を棚卸して、標準業務フローのベストプラクティスを整理するために業務担当者にインタビューしたり、各業務の作業時間を(ストップウォッチで!)測定することを考えただけでも疲れてしまいそうです。
デジタルツイン
昨今のテクノロジーの発展のおかげで、デジタルの力を借りてこれを可視化するツール群が整ってきました。リモートワークが当たり前となった今では、業務プロセスをはっきり把握できていないと、日本企業にあった対面でみんながオフィスで仕事をしている”阿吽の呼吸”での業務が回る状況は難しくなっています。
普段使っている業務システム(ERPやCRMシステム)のログを分析することで、業務フローを可視化し、かつその時間を測定することができる、そんな時代がやってきました。
製造業で、工場の機器にIoTセンサーなどを搭載しリアルタイムで機器の情報やデジタル化して、デジタル上に工場の双子を仮想的に作成してしまい、機器の生産性向上を行う取り組みあります。プロセスマイニングも、業務プロセスをプロセスマイニングのデジタルプロセスとして表現することで、デジタルツインを作成していると言い換えることができます。
もともと、プロセスマイニングは、オランダのアイントホーヘン工科大学の教授が1999年に提唱した理論ですが、ドイツでERPを生み出したSAPの創業者ハッソ・プラットナーの設立したHasso Plattner Institute出身の起業家が、プロセスマイニングツールを2社創業したり、ERPと結びつきの強い概念です。セロニス、シグナビオ(SAPが買収)、プロセスゴールド(UiPathが買収)、Minit(マイクロソフトが買収)とツールベンダーの統廃合も進みました。
なぜUiPathがプロセスマイニングをするのか
さて、UiPath というとRPAのイメージが強いかと思います。現在は、業務の自動化の統合プラットフォームBussiness Automation Platformに進化しています。RPAを活用するための自動化の対象を洗い出す際に、業務担当者にヒアリングしたり、自動化のアイデアを募ったりするケースは多いと思います。
業務を俯瞰的に把握できていないと、どの業務を自動化したらよいか意思決定できません。UiPathを導入しているリコー様では、自動化すべき業務として以下を掲げています。
面倒な、つまり業務フローが複雑で手間がかかるプロセスを探すためのツールとして、プロセスマイニングが活用できます。担当者が何度も同じ作業を繰り返している場合など、プロセスの整理が求められるケースなどを発見できます。プロセスマイニングで、業務プロセスを可視化するだけでは、「次に何ができるの?」となってしまうことが多いのですが、UiPathでは、可視化したプロセスをRPAにつなげることで業務効率を向上させることができます。プロセスマイニングで自動化のシミュレーションを行って、Automation Hubに自動化のアイデアを投稿することもできます。
やってみよう
どういうプロセスを分析すべきか
プロセスマイニングで分析すべき業務とはどんなものがよいでしょうか。
プロセスマイニングは、個々のプロセスと処理時間を測定して可視化するものですので、人手では到底整理不可能な複雑な業務プロセスの可視化が向いています。そして、時間が短くなると嬉しい業務です。
最も直感的に分かりやすいのは、航空機のメンテナンスプロセスではないでしょうか。限られた駐機時間の中で、正確にメンテナンスが求められ、短くなると歓迎されますが、遅延して予定の出発時間を超過すると、搭乗客にお詫びのギフト券を配布したり、振替便や宿泊費を支払う必要性まであります。ルフトハンザテクニークがプロセスマイニングを活用しているのはまさに死活問題だからです。
商品を販売している事業会社であれば、売掛金の回収プロセスが短縮化できればキャッシュフローが改善されるので、真っ先に行うべきプロセスのひとつです。ERPのデータは比較的分析しやすいため、取り組みやすいプロセスでもあります。また、B2Cの事業会社であれば、コールセンターやアフターサービスのプロセスで、時間を短縮化することで顧客満足度が向上するプロセスなどがあります。
どんなデータが必要か
プロセスマイニングで利用するデータ形式は以下のものです。SAPのような業務パッケージシステムには、テンプレートを用意しているので、比較的手間をかけることなく、分析が可能です。スクラッチシステムでも、システムログや監査ログから、データ加工を行って分析することができます。
アクティビティ
ユーザーが行ったアクション
• 例: 請求書受領、承認、支払い
タイムスタンプ
• アクションが完了した日時ケースID
• アクションを行った対象
• 例: 請求書番号、問合せ番号
みんプロ
プロセスマイニング協会で、みんプロという無償のプロセスマイニングツールを提供しています。
とりあえず、プロセスマイニングがどんなものか触ってみたいという方にはおすすめのツールです。データをアップロードして、プロセスの可視化を行ってくれます。
プロセスマイニング検定も受検できますので、冬休みのスキルアップとして、プロセスマイニングを学び、みんプロで試してみるのはいかがでしょうか。筆者も検定に合格しました!
UiPath Process Miningのハンズオンも作りました
もちろんUiPath Process Miningも試すことができます。
しかしながら、Automation Cloudの無償トライアルに、プロセスマイニングは含まれていないため、いったん営業担当者へご相談いただく必要があります。
現在、最新リリース22.10に対応したプロセスマイニングのトライアルを気軽に利用できるように準備を進めています。ハンズオンコンテンツも既に作成済であるため、公開をしばらくお待ちください!
さいごに
本記事をベースとした内容を第10回 UiPath Friends 全国 ~Happy Automation Christmas★2022🎄~にて登壇の様子は以下の動画でご覧いただけます。
Happy Automation !!
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