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マンガの作り方番外編 マンガ家の収入って?

次回は企画会議と言ったがあれは嘘です、残念でした。

漫画家の給与はめちゃくちゃなものになっています。
大手の作家さん以外、安定収入は見込めないし、そもそも大手の作家さんとて連載が終わったら無収入になります。
漫画家の給与は主に原稿料(月給)+印税(ボーナス)によって構成されています。
まず基本的に業界水準は原稿料1P8000円、印税10%あたりに基本的人権があります。(本当は7000円が妥当ですが、大手に流れる人も多いので8000円としています)
ただ、超新人かつ零細出版でコミカライズ案件だとページ単価5000円、印税5%などザラにありますし、この原稿料大抵はX日締め、翌月X日払いがほとんどなので、原稿を入稿したからといってすぐにお金がもらえるわけでなく、生きていくにはコンスタントに描く必要があります。
しかも社会保障は基本的にないので自前で用意していただいています、辛いですね。
シミュレーションしてみましょう。
たとえば月に8000円の原稿料で16P描くと、12万8000円×12ヶ月で基本年収は153万6000円。
1年に一回単行本が出たとして、600円の単行本を1万部刷ったとすると60万で合計した年収は計213万6000円、となります。
(印税の計算式は、発行部数×定価×n%で出ます。元は印紙にかけられていた税で…以下うんちく)(発行部数なので、実売は反映されません。10万部刷って1冊しか売れなくても10万部の印税が入ってきます)
ちなみにこのシミュレーション、割と上振れさせた設定で、現実的なラインとしてはもっと低いです。
個人的に2021年7月現在の時勢だと初版8000部スタートの実売20%、1P7000円、印税7~10%くらいが新人作家のリアルな数値だと思いますし、控除とかで諸々引かれるし、この実倍率だともって3巻までで打ち切り、2巻は4000部スタートとかになります。
大手だとこれが1P10000円で、初版12000部スタートからという景気のいい話はありますが…。
電子書籍の収入はかなり複雑なので省きます。(ただまぁホニャララの25%が人権ラインですので、電子で売ることになる人はよく契約書を見てください)
こう聞くとすごい薄給ですが「印税システム」これがマンガ家ドリームを支えています。
今現在、異世界転生系のコミカライズがバブルですが、たとえばこれが上の設定で5万部刷ることになっちゃったら年収453万6000円になっちゃうんですね。(まぁコミカライズ案件は印税が低いので実際のところは300万くらいでしょうか)
10万部、20万部…夢が広がる…。
そんなドリーミーな世界に我々は生きています。

この番外編に次回があるなら、マンガ家の新たなる天地、電子や海外についてお話しするかもしれません。


うひゃ

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