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考えすぎと俯瞰のリズム

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へんなものを見つけて考えて遠くから眺める 整合性と破壊、偏愛と狂気/冷静な神経質
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#運命

じゃんけんぽん的世界観

人は生まれてから死ぬまで、じゃんけんを何回するんだろうか。 家族とチャンネル権を争って、友達と帰り道にアイスを賭けてコンビニで、サザエさんの次回予告の後で、じゃんけんぽん!と何かを運に委ねる。 じゃんけんはやる前から結果が決まっていると思う。 その時の気分かもしれないし、考え抜いた末かもしれないけれど、とりあえず手を決めてお互いそれを出す。 だから、出す前に結果が決まっていて、それを出した後に答えあわせをしているのだと思う。 偉い人のご機嫌とりのために、どうしても負けたい

あざなえる縄の裏っかわ

放課後の誰もいなくなった教室で、夕日が差し込むあたりをしばらく見つめていた私は、気まぐれで図書室に向かうことにした。騒がしい日中の教室とは違い静かな時間の流れる空間で、私はその人を見つけた。図書室の隅に座るその人は、やけに真剣な顔をしながらえんぴつの音をガリガリ、とまさに削るようにノートに響かせている。その姿からなぜか目が離せなくなり、しばらくその様子を眺めているとその人はスッと顔をあげた。 なにみてるの? ふいに向けられた問いに戸惑う私の顔を、図書室に差し込んだ夕陽が照