夕日が沈まないころの話
高校一年生の春、僕はサッカー部に入れなかった。新入生が入部届を提出するはずの日の放課後、徐々に人が減っていく教室で、いつまでもいつまでも椅子から立ち上がれなかった。体験入部にも行き、入部届も書いていたのにもかかわらず。
とても奇妙な時間だった。幼稚園の頃からサッカーを好きで続けていたから高校でも当然続けるものだと考えていた。確かに体験入部の時に何かが違うなとは思ったが、入らないという決断をするにはあまりに漠然とした理由だった。この理由は今でもわからない。なんとなく入らなかっ