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アキュラ・ZDX復活と今後の展望について考察

2022年の8月18日、アメリカ・カリフォルニアで開催されているモントレーカーウィーク2022においてホンダが展開する高級ブランドのアキュラから、「Precision EV Concept」と言う名前のコンセプトカーが初公開となりました。

公開されたそのデザインは、EVでありながらこれまでの他のアキュラ車を踏襲したダイヤモンド・ペンタゴングリルと切れ長なLEDヘッドライトが特徴となっています。

そしてこのコンセプトカーのデザインを取り入れた上で、2024年に発売されるアキュラブランド初のEVが「ZDX」と名付けられることも明らかになりました。

2013年まで同じ名前の車はアキュラより販売されていたため、11年の歳月を経ての復活ということになります。

この記事では、現在出ている情報からアキュラ・新型ZDXについて少し考えてみたいと思います。

アキュラ・ZDXとは

まず最初に「ZDX」とはどんな車なのか、についてサラッと触れていきます。

同車はクーペのような流麗なスタイルと4ドアセダンの快適さに加え、SUVの便利さを上手く組み合わせることを目標としたモデルとなっています。

デザインそのものは現在BMWやメルセデス・ベンツといった欧州メーカーが市販しているSUVクーペの先駆けとも言えるデザインかもしれません。

3.7LのV型6気筒エンジンに前後輪と後輪左右の駆動力を自在に制御可能なSH-AWDを組み合わせており、SUVながら高いハンドリングとコーナリング性能の発揮を目標としていました。

北米専売の車種でしたが、少数ながら日本にも並行輸入された個体も存在しているようです。
現在SUPER GTのAstemo REAL RACINGのドライバーとして活躍している、塚越広大選手の愛車として認知しているモータースポーツファンもいると思われます。

しかしアキュラブランドの他のSUVと比較した場合、販売台数が芳しくなく、2013年には生産終了となりました。

自動車雑誌やネット記事において、ホンダの時代を先取りしすぎた結果悲運を招いた車種が紹介されることがあります。
考えようによっては「ZDX」もまた、登場してくる時代が早すぎた車なのでしょう。

「Precision EV Concept」の詳細

続いて公開されたコンセプトカーの細部にも目を向けていきます。

画像引用元:https://response.jp/article/img/2022/08/19/360850/1787934.html
画像引用元:https://response.jp/article/img/2022/08/19/360850/1787934.html

エクステリアデザインですが現在販売している「MDX」等のデザインを採り入れつつも、電動化に向けた新しい言語をプレビューしたものとして仕上げられています。

8月11日に公開されたティザー映像では、暗闇に光る幾何学模様のダイヤモンド・ペンタゴングリルが映し出されており、1部話題になったようです。

中の人が「人とくるまのテクノロジー展 2022 NAGOYA」にて撮影

人によって好き嫌いや賛否がハッキリと分かれそうなデザインですが、3年前に登場したアキュラ・タイプSコンセプトのデザインの多くを採り入れて2代目の「TLX」が登場したこと、現在グリルをLED等で発光させる技術の研究・開発が進んでいることから、市販バージョンとなる「ZDX」においても発光グリルが採用される可能性はあるでしょう。

画像引用元:https://www.caranddriver.com/news/a40919575/acura-precision-ev-concept-revealed/

一方インテリアですが、やはり一目で見ても先進的な印象を受けるものです。

コックピット周りはF1マシンからもインスピレーションを受けており、先進的ながらもどこかレーシーな雰囲気を醸し出しています。

またシートにバイオマスレーザーの採用やアルミニウム・プラスチックのリサイクル材の使用など、環境保護に向けても考えられているようです。

画像引用元:https://www.caranddriver.com/news/a40919575/acura-precision-ev-concept-revealed/

また全体的にインテリアは「海中」をイメージしており、海洋画像をキャビンに投影するギミックが搭載されています。

先に販売されているEVのHonda eにおいてダウンロード可能となっている水槽アプリでは、同車のディスプレイを水槽に仕立てることで自分の好きな数の魚を出現させたり、画面タッチで餌やりをすることが出来る機能が設定されています。

この機能をより発展拡大させたギミック、とも考えられるのではないでしょうか。

Type Sについて思ったこと

市販モデルである「ZDX」では、アキュラが展開を進めているスポーツグレード、Type Sも設定されることが明らかとなっています。

画像引用元:https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17473651

Type Sはフラッグシップスーパーカーである「NSX」の他にセダン車の「TLX」、SUVの「MDX」にも設定されるものです。

資料参照元:https://clicccar.com/2020/06/13/984433/?amp

一昨年の2020年に判明したロードマップにおいては、アキュラのラインナップする車種の殆どにType Sを設定することが明らかとなっています。

新型「ZDX」にType Sが設定されるのも、この流れに乗ったものであることは確実と言ってもいいでしょう。

ここで少し考えたいのは同社において初となるEVのType S、それはどのような味付け・仕上がりになるのかということです。

この大きなヒントになると考えられるのが、先に発表されたシボレーのEVである「ブレイザー」の存在です。

画像引用元:https://www.goo-net.com/magazine/newmodel/by-vehicle-type-information/147714/?amp=1

この車はアメリカ・ゼネラルモーターズのシボレーブランドから発売が予定されているEVで、その頂点に立つ高性能グレード「SS」も設定が明らかとなっています。

このグレードは前後アクスルにモーターを搭載するAWDであり、最大出力557馬力、0~96km/h加速4秒以下の性能として作られる予定となっています。

ホンダが北米で展開するEVの第1弾はGMの新開発バッテリー「アルティウム」を採用することが決定しており、今回発表された「ZDX」と先に公開されているホンダブランドのEV「プロローグ」は同バッテリー採用となります。

つまり考えようによっては「ブレイザー」と「ZDX」は兄弟車種とも言える訳です。

その高性能グレードの技術や知見を取り入れつつ、アキュラ独自のハイパフォーマンスEVとして「ZDX Type S」は市場に送り出されるのではないか?と私は考えています。

纏め

ここまで現在明らかになっている情報と、私自身が見てきたり雑誌・記事を読んだ情報を基に色々考えて書いてきました。

デザインの変更も全然有り得ますし、Type Sも私の想像と異なるものになるかもしれませんが。
それについてはデビューする2024年までのお楽しみ、となるでしょう。

日本市場導入の可能性はかなり低いと考えられる1台ですが、例え導入されなくても1人のホンダファンとして期待しながら注視していきたい1台です。

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