朝日と懺悔。

カーテンの隙間から差し込む朝日。我が陋屋は束の間の神の恩恵を受けている。そろそろ起きる時間。

夜は暗いから嫌いだ。眠りにつくまでの時間は死を待っている人のようだ。冥界のイメージがつきまとう。朝日が浄化してくれるまで。

乾燥しがちな部屋を加湿するために洗濯物は部屋に干している。しっかり乾くところを見ると、相当乾いているんだなこの部屋は。通りで朝は喉と鼻の奥が少し引っかかる感じがするわけだ。

私は人をたくさん傷つけてきた。そうしたかったわけではないが、下手な立ち回りの結果、そうせざるを得なかった。時々思い出しては苦しくなる。その時は誰も傷付かず、うまく逃げられたと思っていたけれど、実は血だるまだった。相手は。

朝日が少し忘れさせてくれる。前に進むということは、忘れるということなのか?老人になり寿命を全うできれば、死ぬ時は生まれた時と頭の中は、比べるところがないかも知れない。過去の記憶は生まれる前の記憶のように、曖昧で他人の記憶のようになっていて欲しい。そうじゃないと、死ぬ最後の瞬間まで苦しむことになる。

さて、動き出そう。

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