【感想】龍の宮物語
音楽奇譚
『龍の宮(たつのみや)物語』
作・演出/指田 珠子
凄く良い評判ばかり耳にしていた事もあり、観たいな〜と思いながら安定のスカステ難民。
まさかの楽天オンデマンドでの視聴が叶いました。
本当に、中の人に感謝しかありません。
瀬央ゆりあさんのビジュアルが、凄く好みです。均整が取れて上品な面立ち。
お芝居も自在で、歌唱も確りなさっていて見蕩れます。
それでは、以下からネタバレ有りの感想を綴りたいと思います。
ストーリーは、ある意味直球でわかりやすい。よく知られた御伽噺を下敷きにしているので、先の展開もわかりやすい。
公開から、視聴まで長かったのでネタバレを当たり前のように踏んでしまっていたのを差し引いてもわかりやすい物語でした。
画面は、わりとダークで影を含む色彩。そこに有沙瞳さんが演じる玉姫様の色鮮やかな衣装が映えます。
カーリーヘアも似合っていて、人ならざる者の美しさについて説得力があります。
こういうお役は、有沙さんのようにおとなっぽい娘役さんが演じるのが良いですね。
龍神役の天寿光希さんは、美しく妖しく尊大。妖精のように端正な顔で、あのお役にマッチする振り幅、彼女の芝居巧者ぶりには、毎度唸らされます。
池底の世界、幽玄で、どうみても陥れられる遊戯にはゾッとする感覚。
時間の流れが違う世界で、悪戯に時間を浪費していく恐ろしさがありました。
元いた世界に戻り、知っている人達が誰もいない寂しさ、怖さ。
若さを保つ清彦。瀬央ゆりあさんの美貌がより説得力を持たせました。
ラストシーンは、予期していたものの
何とも切ない、胸にぽっかりとした空虚を覚えるのでした。
指田先生のデビュー作という事で、素敵な世界観を堪能。
次作が楽しみです。