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転勤族の子育てとは

昨年春に夫の転勤が決まり、新卒で就職して以来住んでいた東京から引っ越した。
2019年11月に息子を出産し育休中だった私は、退職してついていくことになった。


もちろん、すんなりその決断ができたわけではない。
慣れない土地で子育てをすること、キャリアが途絶えてしまうこと、自分の収入がなくなってしまうこと。
バリバリのキャリアウーマンだった母親に育てられた私は、私も当然キャリアを追及して生きていくんだと思っていた。
これまでの人生で一度も、自分が専業主婦になるということを想像したことがなかった。


配偶者が転勤になった場合、とりうる選択肢は大体次の4つだろう。
1.仕事を継続し、配偶者は単身赴任する。
2.配偶者の新任地で転職する。
3.配偶者の新任地に一緒に転勤させてもらう。
4.退職して帯同する。

夫が2~3年で全国転勤を繰り返すこと、今回の転勤先に定住する可能性はほとんどないことを考えると、新天地でゼロから保活を始めて2(転職)や3(転勤)を選ぶことは難しかった。
(実は3を狙っていたのだが、私の職場には職員都合の転勤というのはナシといわれてしまった)
じゃあ1(単身赴任)を選んで、東京でワンオペ育児しながら働くのか?というと、私にはそれもできなかった。その道を選んで孤軍奮闘しているワーママさんたちがいることも知っているが、私には到底無理だと思った。
結果、退職するしかないと思った。

私自身転勤族の家庭で育ち、進学で親元を離れるまでに何度も引っ越しを経験した。色んな場所に住めて、それなりに楽しくもあったけれど、やっぱり引っ越しばかりの思春期はそれが結構つらかった。転校先になじんで友人ができても、「来年には私はここにはいないんだろうな」などと考えたりした。
私が大学に進学して以降も親は転勤し続けているので、夏休みや年末に「帰省」するのは、「実家」というよりも「親が今住んでいる場所」。
東京で就職してからはよく「実家はどこだっけ?帰省するの?」などと聞かれたけれど、そのたびに「実家とは…?」という気持ちになった。

引っ越しが多い家庭で育ったことについて、兄はそんなに苦にしていなかったようだ。みんながみんなが同じ感じ方をするわけじゃない。
でも私は、定住したい。人生のなかでの変数を減らしたい。


そのためには、夫には転職してもらうしかないと思う。
子どものコミュニティができあがる前に、それができればいいなぁ。


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