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答え合わせ

地元に帰ってきた。しばらく腰を落ち着けるつもりだ。子どもは母校に通うことになる。手続きのために30年ぶりに小学校の中に入った。

建物は変わってないけど、確かに月日が経っているが、学校特有の匂いは変わらずそこにあった。

始業式にも参加することになって、子ども達が歌う校歌を聴くことになった。一気に記憶が蘇る。
歌詞は忘れているところもあるのだけど、メロディは完璧に覚えていた。

子どもの頃通っていた合唱団の集まりに参加した。古い友人達の顔を見て話しながら、あの頃たくさん歌った曲を歌うことになった。

不思議なのだけど、歌い始めたら小学生の頃にトリップしたかのような感覚を覚えた。

と、同時にあの時こう感じていたよな、とか、合宿で何時間も練習したよな、とか、とにかくたくさん思い出した。

花形の先輩を見て憧れたけど声質が合わなくてできなかったり、曲を全パート覚えられてバンバン取り仕切る先輩みたいにできたら良いなぁと思っていたけど、そんなことは難しすぎてできなくて落ち込んだりとか、子どもながらにそういう感情を持っていたよな、と、なんだか子どもだった頃の自分を抱きしめたくなった。

そして今、才能なんてひとつじゃないし、あの頃の感情があるから別の部分での自分の才能を認められているんだな、と答え合わせができた。

原点に帰ることもたまには必要かもしれない。

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