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SPOILMAN COMBER/UNDERTOWレビュー

私の音楽体験

2000年前後、今から20年前はネットがまだ黎明期で音楽はCDをCDウォークマンで聴くか、データにしてiPodに入れて聴くか、そんな時代だった。

知らない音楽を探すには友達からの情報、雑誌、テレビ、中古CD屋、そして何よりもTSUTAYAやタワレコ、HMVへ行って、店員さんのPOPを頼りに試聴することだった。

そこで気になったCDを少ないバイト代から出す価値があるか悩みに悩んで買うという具合だ。

今のようにサブスクやYouTubeでディグれるわけではないので、貴重な体験だった。

そこでの体験が、”自分も音楽で感動させられるのかもしれない” ”バンドがやりたい”という愚かな夢を抱かせ、今もなお、片足を突っ込んで出られないでいる要因のひとつである。

SPOILMAN との出会い

SPOILMAN の名前を目にしたのは昨年だったか、知り合いのバンドマン達がTwitterでこぞって話題にしていたのだ。

どんなバンドだろう、と興味を持った。(Twitterが今の仕様になってこういう発見がなくなるのが悲しい。前の仕様に戻して欲しい)

PVを見る。

なんだコレは!?

グランジとオルタナと今の新しい空気感、ふざけてるんだか大真面目なんだかわからない叫びがミクスチャーとなってエグいことになってる!

こんなバンドが令和の時代にいるなんて信じられない。

なんだか恐ろしくなりスマホを閉じた。

クラウドファンディングで注文する

ほどなくしてクラウドファンディングでSPOILMAN 4th音源を2枚組でリリースするという知らせが届いた。
恐る恐るポチっとした。

届いたのは、CDとダウンロード用ID。
ジャケットはギターボーカルのカシマさんの作品である。
才能ありすぎて、やっぱり恐ろしい。


アルバムの1曲目がどれだけ大事か、サブスク世代には伝わりにくいかもしれない。駅ビルのCD屋で視聴するのは基本的に1曲目からになる。
その印象で次の曲も聴いてみるか決めることになるからだ。

聴いてみる。

バキバキのベースリフから始まり、ドラムのタム回し、ギターが入り、一周してからのメロ。段々と熱が上がっていく、たまらない構成である。楽曲面ではもちろんだが、一聴して感じたのは、音の良さだ。メジャーシーンの楽曲と引けを取らない隙のない音。チューニングの良さと抜群のセンスの良さ。一曲目で上がった熱をクールダウンするかのような8ビートとギターの刻み。二曲目はクールな感じかと油断していたら、沸々と湧き上がる怒りというか、みんなバカーと罵られているような感覚である。CD屋で試聴していたらこの時点でCDを手に取って裏面を確認していただろう。なんなんだこのバンドは!と。

まとめ

音楽のレビューって難しい。何よりも感覚としか言えない感想である。散文失礼しました。

ボーカルのカシマさんとは10年くらい前にお互い当時やっていたバンドで対バンした間柄である。なんだ身内贔屓か、という声が聞こえてきそうだが誤解しないでいただきたい。米粒ほどの器しか持ち合わせていない筆者である。かっこいいバンドがいたら嫉妬の渦しかない。レビューなんぞ書くものか!とこっそり家で聴きまくるだろう。

ならなぜ書いてみようと思ったのか、それは誰かに言いたくなるバンドだからだ。
もしも、20年前にタワレコで試聴して買ったとしたら翌日には興奮気味に学校の友達やバンドメンバーに「スゲェバンドいるんだけどSPOILMAN って知ってる?」と話をしてるだろう。

令和の今、それがSNSに変わっただけだ。

昔は良かったと言うつもりはないのだけれど、あの時にCDを買って大事に聴くという体験ができて良かったと思っている。

同じような興奮と感動を体感できたこと、SPOILMAN に感謝したい。音源データに変わったが、擦り切れるまで聴いてやろうと思っている。

https://spoilmanband.wixsite.com/mysite

thanks love

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