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② 入院基本料等の見直し

こんにちは。介護関係中心にコラムを書いているフミオです。
今日は、2024年4月も近くなってきたので医療・介護報酬同時改定について、医療報酬改定から介護現場に及ぼすのではないか?について
20年余の経験から、個人の見解を書いていこうと思います。

まず、第1回目として、
【Ⅰ-1 医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組-②】
② 入院基本料等の見直し
 について。


基本的な考え方

40 歳未満の勤務医師、事務職員等の賃上げに資する措置として、入院 基本料等の評価を見直す。 あわせて、退院後の生活を見据え、入院患者の栄養管理体制の充実を 図る観点から、栄養管理体制の基準を明確化する。 また、人生の最終段階における適切な意思決定支援を推進する観点から、当該支援に係る指針の作成を要件とする。 さらに、医療機関における身体的拘束を最小化する取組を強化するた め、医療機関において組織的に身体的拘束を最小化する体制の整備を求 める。

中央社会保険医療協議会 総会(第 584 回)

背景


  日本の超高齢社会の問題。団塊の世代(ベビーブーマー)が75歳以上となる2025年から、第2次ベビーブーマーが65歳以上となる2040年まで、医療・介護のニーズが継続して増加すると予測されることにより、次の取り組みが必要。

高齢多死社会への対応:高齢者の増加に伴い、地域包括ケアの構築が必要とされています。この背景で、医療・ケアの最終段階における適切な意思決定支援が求められています。

  1. ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の普及:英米諸国を中心に、ACPの概念を踏まえた研究や取り組みが広まっています。この観点から、在宅医療・介護の現場でも活用できるよう、ガイドラインを改訂しました。

  2. 医療・ケアチームの対象拡大:介護従事者を含む医療・ケアチームの対象を明確化しました。

  3. 本人の意思を推定する者の重要性:本人が自らの意思を伝えられない状態になる前に、信頼できる者を前もって定めておくことを強調しています。

  4. 共有と文書化の重要性:繰り返し話し合った内容を文書にまとめ、本人や家族と医療・ケアチームで共有することを記載しています。

・共生社会の実現を推進するための認知症基本法

1. 認知症の人にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるものを  
 除去することにより、全ての認知症の人が、社会の対等な構成員として、
   地域において安全にかつ安心して自立した日常生活を営むことができると
 ともに、自己に直接関係する事項に関して意見を 表明する機会及び社会の
 あらゆる分野における活動に参画する機会の確保を通じてその個性と能力
 を十分に発揮することができる。

2. 認知症の人の意向を十分に尊重しつつ、良質かつ適切な保健医療サービス
 及び福祉サービスが切れ目なく提供される。

3. 認知症の人のみならず家族等に対する支援により、認知症の人及び家族等
 が地域において安心して日常生活を営むことができる


 出典:共生社会の実現を推進するための認知症基本法について

具体的な内容(新設)


【入院料等】P36
[算定要件]
7 入院診療計画、院内感染防止 対策、医療安全管理体制、褥瘡対策、栄養管理体制、意思決定支援及び身体的拘束最小化につ いて、別に厚生労働大臣が定め る基準を満たす場合に限り、第 1節(特別入院基本料等を含 む。)、第3節及び第4節(短 期滞在手術等基本料1を除 く。)の各区分に掲げる入院料 の所定点数を算定する
9 7に規定する別に厚生労働大 臣が定める基準のうち、身体的拘束最小化に関する基準を満たすことができない保険医療機関 については、第1節(特別入院 基本料等を除く。)、第3節及 び第4節(短期滞在手術等基本 料1を除く。)の各区分に掲げ るそれぞれの入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料の所定点数から1日につき40点を減算する。

中央社会保険医療協議会 総会(第 584 回)

[施設基準] P38
第四 入院診療計画、院内感染防止 対策、医療安全管理体制、褥瘡対策、栄養管理体制、意思決定支援 及び身体的拘束最小化の基準 一~六 (略)
七 意思決定支援の基準 当該保険医療機関において、 適切な意思決定支援に関する指 針を定めていること。(小児特 定集中治療室管理料、総合周産 期特定集中治療室管理料、新生 児特定集中治療室管理料、新生 児治療回復室入院医療管理料、 小児入院医療管理料又は児童・ 思春期精神科入院医療管理料を 算定する病棟のみを有するもの を除く。)
八 身体的拘束最小化の基準 身体的拘束の最小化を行うに つき十分な体制が整備されてい ること。

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入院診療計画、院内感染防止対 策、医療安全管理体制、褥瘡対策、 栄養管理体制、意思決定支援及び身 体的拘束最小化の基準は、「基本診 療料の施設基準等」の他、次のとお りとする。

6 意思決定支援の基準 当該保険医療機関において、厚 生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関 するガイドライン」等の内容を踏 まえ、適切な意思決定支援に関する指針を定めていること。
7 身体的拘束最小化の基準
(1) 当該保険医療機関において、 患者又は他の患者等の生命又は 身体を保護するため緊急やむを 得ない場合を除き、身体的拘束 を行ってはならないこと。
(2) (1)の身体的拘束を行う場合に は、その態様及び時間、その際 の患者の心身の状況並びに緊急 やむを得ない理由を記録しなければならないこと。
(3) 身体的拘束は、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に 当該患者の身体を拘束し、その 運動を抑制する行動の制限をいうこと。
(4) 当該保険医療機関において、 身体的拘束最小化対策に係る専任の医師及び専任の看護職員から構成される身体的拘束最小化チームが設置されていること。 なお、必要に応じて、薬剤師等、入院医療に携わる多職種が参加していることが望ましい。
(5) 身体的拘束最小化チームで は、以下の業務を実施すること。
ア 身体的拘束の実施状況を把握し、管理者を含む職員に定 期的に周知徹底すること。
イ 身体的拘束を最小化するための指針を作成し、職員に周知し活用すること。なお、ア を踏まえ、定期的に当該指針 の見直しを行うこと。また、 当該指針には、鎮静を目的とした薬物の適正使用や(3)に 規定する身体的拘束以外の患者の行動を制限する行為の最 小化に係る内容を盛り込むことが望ましい。
ウ 入院患者に係わる職員を対 象として、身体的拘束の最小化に関する研修を定期的に行 うこと。
(6) (1)から(5)までの規定に関わ らず、精神科病院(精神科病院 以外の病院で精神病室が設けら れているものを含む)における 身体的拘束の取扱いについて は、精神保健及び精神障害者福 祉に関する法律(昭和25年法律 第123号)の規定による。

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