大穴(104

オオアマとイヨは龍山へと登った。

そこには大きな大きな穴のようなものがあった。

「ここか。。」

オオアマが言った。

「オオアマ様。ここからは私は入れませぬ。
イヨ様をお守りするので
オオアマ様いかれよ。
ここまでくれば
誰も追いかけては来れないはず。」

イヨはオオアマの方をみた。

オオアマは少し沈黙した後
口を開いた。

「イヨはわたしが守る。
イヨと共におこなう。」

白髪の男はオオアマの意思を感じとった。

「いいか。イヨ。ここには
龍の玉が隠されている。
だが
その龍の玉は
形あるものではない
思いを一つにしなくてはならぬ。

今までは
男が守ってきた。

龍族の守りだ。

だが
本当は女の力がないと
龍は玉にならぬ。

それは
他のものは知らない。」

耳元で
イヨに伝えた。

その後白髪の男にも聞こえるように

「イヨ。わたしと共にこい。」

といった。

イヨは頷いた。

そのときに

林の間から
矢が飛んできて
白髪の男の左胸に命中した。

その場で
白髪の男はくずれこんでしまった。

オオアマはイヨを抱き寄せて
守った。

「どこにいる!姿をあらわせよ!」

オオアマは叫んだが
矢が次々と飛んできた。

オオアマはその矢を全部腕で跳ね除けた。

そして二人は
その大穴へと向かった。

「ここからは向かわせぬ。」

そう一人の男が
穴の前に立っていた。

「ここから先の道は決して通さぬ。
そなた達の行ける場ではない。
霊巫女の命を頂き
ここでそなたには死んでもらう」

その男はイヨの事を霊巫女だと
思っていたのだ。

矢は霊巫女を狙い
その男は
オオアマを狙った。

「霊巫女を死なせるではない。
命は落とさずに矢をいるのだ。」

そう男は叫んだ。

オオアマは必死にイヨを守った。

二人は
海に向かう道の方へと押し寄せられた。
そこはもう高い崖となっている。
落ちたら命はない。

「イヨ。いいか。」

イヨはうなずき
二人は手を取り合い
そこから落ちた。

「くそ!」

大男がそういうと
矢だけが飛んできたが
二人には当たらなかった。


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