歩む道を信じぬく(95
船が去るのを見守り
涙を流す霊巫女の肩に
婆様は優しく触れた。
「婆様。。。」
「霊巫女様。ヒカホの心も霊巫女様の心も
繋がっております。
マナヒマナハレマナヒカヤ
マナハレヒカヤマナハレヒ
そなたはわたし
わたしはそなた
そなたの歩む道を
必ず私が守る
この言葉には
言い伝えがございます。
先人達は共に生き
共に思いを交わし
共に過ごしておられた
共にあることの強さを
共にあるから生まれる力を
もとに守り続けられた
それらが引き裂かれた時に
離れてしまっても
共にあれる道を選んだ。と
それは
共にありたい方の道を守り続ける為に
自らの道を道を守り抜く
と。
身は離れても御霊は離れない。
自らの道を歩みさへすれば
共にありたい方の道を
同じように守れる。
そう願い
そして
いつか必ず会えることを願い続けている。
と。
霊巫女様。信じぬくのです。
そなたの御霊ではヒカホと必ず
繋がっております。
身は離れたとしても
霊巫女様の真心は必ずヒカホを助けます。
そうやって
思い会えるもの達は
離れていても
お互いを助け合えることを
信じぬくのです。
そしたら
必ずまたいつかヒカホに会えます。」
「婆様。。。」
「霊巫女。私達龍族はいつかまた
思いが通じ合い、広がり
命を奪い合う世界ではなく
分け与えあえる世界が
御霊が繋がりあう世界が戻るのを信じている。
私達はその道の上を、歩み続けるしかない。
霊巫女。別れがつらいのではない。
別れた理由を信じられないからつらいのだ。
何事にも辿る道がある。
その道を信じるのだ。
さ、これから忙しくなる。
婆様は霊巫女とマナヒに戻り
準備を進めるのだ。
イヨは一度、婆様と霊巫女と共に
マナヒに向かへ。
オオアマ。私達は戻って準備を進める。」
婆様は、霊巫女の肩をしっかりと握った。
霊巫女にはその力が、その温もりが
心を立たせてくれるようだった。
「霊巫女様。イヨ様。参りましょう。
もう時間はございませぬ。」
イヨは霊巫女のそばにスッときて
笑顔を向けた。
そして二人は、婆様と共にマナヒへと向かった。
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