46_色彩構成の授業やってます2022(2)〜カラーペーパーを使うメリットって?

画像1 前回お話ししたドイツ・バウハウスの色彩教師ジョセフ・アルバースは色彩構成の授業に絵の具類は使いませんでした。https://note.com/colorfulvision/n/n41db6dd87269 その利点として 1.絵具の混色の失敗リスクを省く 2.同じ色を繰り返し使える 3.色の比較が安易になる 4.絵具と紙の相性の良し悪しに苦労しない 5.道具が少なく安上がりetc.絵具を使って色彩構成をする機会に直面したことがある方はお分かりかと思います。
画像2 色彩構成の授業に割くコマ数は限られていることが多いので同じフォーマットと画材(カラーペーパー)で効率よく遂行します。この課題は同系色+無彩色で制作すること。左が学生作品で右は講師がリメイクしてみたものです。両方全く同種類の色と分量ですが配置を変えるだけで印象が大きく変わることは明白です。
画像3 あ、ちなみに同系色とは色相に共通性がある組み合わせです。赤系とか青系とか。ベージュ&ブラウンなんかはオレンジ系の同系色になるのですよ。
画像4 そして全ての色には明るさがあります。無彩色に変換した場合にも明るさのバランスは変わらないので、ザックリ言えば明暗バランスが良いと画面の印象が良くなります。デッサンの経験がある方はよくお分かりかと思いますが、色彩感覚とデッサン力には共通したものがあると考えています。
画像5 左が学生、右は講師(私)がリメイクしたものです。左の学生作品は同系色は選択できているのですが全体にやや弱く、無彩色との関係もイマイチ消化できていない印象です。なので使っているオレンジ系の同系色の種類と分量は変えずに組み合わせる無彩色をアレンジすることで画面に強さを出しました。
画像6 無彩色に変換するとこんな感じになります。明暗コントラストが画面の印象の強弱を左右している例ですね。
画像7 ではこれはどう変わったかお分かりですか?左が学生作品ですが、非常によくできていると思います。そこで色自体は全く変更せずにそのままグルッと反時計回りに回転させてみました。フォーマットに貼付する前であれば、カラーペーパーならこういう試行錯誤も可能になります。
画像8 どちらがいいかな?と考える機会を一回でも多く持つ習慣は大事なことです。これから何かモノを作っていく職業を目指すのであればどんな些細なことでも「試行錯誤のスキル」を身につけていくことは仕事を続けていく上で非常に有意義なことだと思うのです。次回以降も課題についてアップしますのでお付き合い下さい。

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