22_色彩構成の授業やってます(3)〜色と言葉のリンク:大阪編

画像1 前回と前々回では「theory」を軸にした色彩構成の課題を紹介しましたが、今回は「image」。色はよく「イメージがどうの」という要素に結びつけられやすいのですが「配色によるイメージの相違は千差万別である」ことを認識することは大事です。写真のイメージは上3つが「大阪」、下3つが「京都」のイメージです。30mm×30mmの正方形16マスの画面にトーナルカラーという学習用色紙を切り貼りして色彩構成をするのですが、作者が考えているイメージ(言葉)と色彩構成がリンクしているかわかるよう短い説明をつけてもらいます。
画像2 今回も学生作品をリメイクして講評しました。左が学生、右が講師リメイクです。学生の説明では「煌びやかな大阪を表現しようと思い、夜のネオンがビビッドな道頓堀をイメージした」とある。うん、わかる(笑)。ただ夜の感じをもう少し強調してもいいかな?と思い、黒の場所を1コマ変更&黒を1コマ+したのが右側です。あざやかな画面に強さが+されたのがお分かりかと思います。ちなみにこの課題では「一つの画面で無彩色は1種類まで」という規制を設けています。
画像3 これも「大阪」のイメージです。「高層ビル群の間に人が集まる個性的な店や商店街が賑わうイメージ」が学生の説明です。都会特有の「囲まれたような空間に集まる賑やかさ」というイメージですが、個性的で楽しい色彩の構成になっています。右側はリメイクですが、左下と右上のグレーを思い切って黒に変えることで「頑丈さ」を+しました。それによってカラフルで個性的な部分が軽やかに活きたのではと思います。
画像4 これも「大阪」。学生の説明によると「立ち並ぶ高層ビルに夜でも賑やかでカラフルなネオン街、ド派手でうるさく、でも温かい人々」というイメージです。カラフルだし夜というのもわかるけど、少しおとなしい感じがするのは「水平」のラインが目立つからかもしれません。水平なラインは落ち着きや安定感を感じさせます。「ド派手」はともかく「うるさい」というイメージが弱いように思いました。右側はリメイク。色は変えずにシャッフルして賑やかさと動きを出し、光のような黄を上下に置いて目線をタテに誘導し「高層ビル」というキーワードを+。
画像5 「大阪のイメージ」というと「たこ焼き」「おばちゃん」「タイガース」が三大「ありきたりワード」なのですが、今回それを最初に言ったせいか少し捻ってコンセプトを考えたようです(笑)。色は形や質感も大事ですが、イメージとなると「言葉とのリンク」が大事ですね。ちなみに今回の課題は「大阪」と「京都」、「神戸」と「奈良」という風に同じ16マスでどのようにイメージの違いを表現をするのかにチャレンジしてもらいました。次回は「京都」編をアップします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?