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過去のトラウマが、「表現すること」で癒された瞬間-1

 今まで公に書くことを控えてきましたが、今日は思い切って、過去のつらい体験について、書いてみようと思います。もし、あなたが何らかの要因で、生きる自信を失くしつつあるとしたら、私の体験が何か少しでもお役に立てたら嬉しいです。

 もう20年近く前のことですが、ある、突発的な出来事で、意識を失いかけたことがありました。幸いにも呼吸が回復し、意識を取り戻すことができたのですが、以後、意識を失いかけた瞬間の恐怖が蘇って、心臓がバクバクしてきたり、手や体がガクガク震えたり、という症状に悩まされることになりました。

「今、私はここにいて、呼吸しているけれど、1時間後は?」。通常では考えもしないような、不安と共にいました。

 不安スイッチが入ると、恐怖で、居ても立ってもいられない。でも、不安に捕まってしまうと、どんどんドツボにはまっていき、呼吸困難になる。誰かに「助けてほしい」と、すがったり、頼ったりする気持ちが出てくると、その隙を狙うように、不安に我が身を持っていかれる、、、
「私は大丈夫」「大丈夫なんだ」と必死に言い聞かせて、平常心を保っていました。

 なんとか解決したくて、友人に相談したり、本を読んだり、神社やお寺を参拝したり…

 そんなとき、ある友人が「そういう時は体を動かした方がいいかもしれないよ」と、「ゆる体操」という体操教室に連れて行ってくれました。体を揺らしながら、体内の滞りやコリを取っていく体操です。やってみると、確かに楽になるのを感じました。

 「そうか、私に必要なのは、こういうものかもしれない」。体操教室に通いながら、心のバランスを取り戻そうとしていたとき、別の友人が、ある歯科の先生を紹介してくれ、医院のイベントスペースで私の個展を開催することになりました。

 その医院の院長さんは、一風変わった面白い先生で、様々な分野のアーティストや芸人を呼んで、イベントを開催していました。ご挨拶でそちらへ伺ったとき、玄関先に置かれていたチラシが目に止まりました。

 「ビオダンサ」〜生命のダンス

 なぜか知らないけれど、妙に惹かれてチラシを頂いて帰りました。
「ダンスなんてしたことないけど、気になる。なんでだろう、、、」
 抵抗を感じつつも、何か自分に必要なものがそこにあるような気がして、思い切ってチラシに書かれた連絡先へ電話をし、申し込みました。

 当日、会場には50名ほど参加者がいました。先生はアルゼンチンのチャーミングな女性。通訳付きのワークショップでした。

 ダンスなんて、中学校以来です。
「私はなんでここにいるのかな?」
「場違いじゃないのかな?」
 
 ワークショプ開始までの時間、自問自答しつつ、たまたま隣にいた人に声をかけたら、偶然にも同業者で、年齢も一緒。初参加というのも一緒。なんだかホッとして、慣れない場所に居場所を見つけたような気がしました。

 ワークショップが始まると、先生による解説のあと、軽く歩いて体をほぐし、見知らぬ人たちとのアイコンタクトによる交流。そして、先生が見本のダンスを見せてくれました。


 それは確か、「呼吸のダンス」というものだったと思います。
 音楽を全身で感じながら、深く呼吸し、自身の体内に宿るエネルギーを感じた後、そのエネルギーを外界に解き放つように、大きく翼を広げて、空に向かって羽ばたく。それは羽化の瞬間を見るような、感動的な出来事でした。気づくと、両目から、涙が溢れて溢れて、止まりません。

 次は参加者が踊る番です。胸に手を当てて、深く自分の心と体を感じていくと、やがて、身体の中に、エネルギーの中心のようなものが感じられてきます。焦らずにゆっくり、自分の中心に宿るエネルギーを感じて、感じて、、、十分に大きくなったら、それを、外に解き放つ。

 その瞬間、胸に滞っていたものがスッと解放されるのを感じました。「大丈夫だ。私は生きていける」。

 私にとって「呼吸のダンス」は、自分の命の中心と繋がること、そのものでした。

 生きる自信を失くしていた日々の中で、この体験は大きな救いとなり、パニックによる不安症克服の初めの一歩となりました。

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<今日のまとめ>
・不安や恐怖の極地にいたら、頭ではなく、身体を動かす。
・身体にフォーカスし、動かすことで「生きている」自分を感じることができる。
・呼吸に集中し、呼吸を感じることで、自分の命の中心を感じることができる。
・充分に自分の中のエネルギーを感じられたら、それを外に向けて表現することで、外界と繋がり、自信を取り戻すことができる。 ​

 私の過去の旅にお付き合いくださって、ありがとうございます。文字にするのは初めてのことで、うまくお伝えできているか自信がないのですが、何回かに分けて、続けて書いていこうと思います。
 ダンスと絵を通じて、体験した癒しの旅。しばらくお付き合いいただけたら嬉しいです。
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続きの記事はこちらです。
https://note.com/color_of_wind/n/n318fa76c30eb

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