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チュルくんのあじさい

今年はあじさいが良く咲いてくれています。
きっと今までもあじさいは頑張って咲いてくれていて、僕らがそれに気がつかなかっただけなんだろうけれど…
今年はなんだか早起きで朝4時半に起きるとそのまま家の周りぐるりと一周しながら畑の野菜や花を見るのが日課になっている。

その中でもずっと気になっているのがあじさい。うちにはあじさいが三ヶ所に植わっているのだけれど、とりわけ表側の水路沿いに植わっているあじさいがずっと気になっている。

ここのあじさいは昨年の晩秋に、一輪の色あざやかな紫色の花を咲かせた。冬に向かって周りの木々が葉を落としているなかでこういうことがたまにある。「馬鹿なあじさい、小春日和に咲く時期を間違えたか?」なんていつもだったら言ってみるのだが、昨年はちょっと違った。と同時に、ここのあじさいは我が家にとって特別なあじさいになった。

昨年の11月12日、とてもよく晴れた冷たい風が心地よい日だった。その日は我が家にとって特別な日。17年連れ添ったビーグル犬「チュル」とお別れをした日。

たぶん、もう死期を悟っていたチュルを抱いて最後の散歩をした。そのチュルがこの世で最後に見た花が晩秋に咲いたこのあじさい。もう目の見えなかったチュルだけれど、彼のココロにはどんな風に映ったのかな…

そのあじさいが今年たくさんの花をつけている。これはスピリチュアルうんぬん関係なく、何か感じてしまいますよ。

今朝はチュルのお墓の周りや畑の草取りをして、そのお墓にあの水路沿いのあじさいをお供えした。なんだかチュルの気配がするような感じがした。
だからなのか、午後はチュルの顔がデザインされたTシャツを着て、何故かデザインが似ているロゴのカフェへ。

ドライブスルーで店員さんが話しかけてくる。
「カワイイTシャツですね」
「ウチで飼っていたビーグル犬をデザインしたものなんですよ」と僕。
「ビーグルを飼っていらしているんですか?」
「いや、昨年亡くなったんだけどね…」
「でも良いデザイン。なんかウチのロゴと少し似てますね」とおねえさん。
「ええ、このTシャツきてこのカフェいくとスタッフの皆さんそう言われます」
「そうですよね」
「スミマセン、なんか、パクっちゃって…」

…そんな風にして、気がつけば、もう半年以上が経っています。今でもチュルに話しかける時があるけれど、なんとなくどこかで聞いているような気がするのは、このあじさいが咲いてくれているからだ…と思うのです。

まぁ、でも、チュルのことを忘れることは絶対ないけれど、チュルにはあじさいなんか放ったらかしにして、今まで我が家で出来なかったことや、やりたかったことを、僕らのことは気にせずにやってくれたら良いと思います。
僕らは勝手にキミのことを花や風の匂いをかぎながら想うから、くれぐれもその想いに縛られずに…ね。

…という久しぶりの投稿は、やっぱりチュルネタでした。


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