今後ゲーム翻訳者が必要とされるもの

翻訳という作業の変化の可能性

日本語の場合、機械翻訳はエンタメ系で使えないとたかをくくってると痛い目にあうかもしれないよ。技術や方法論は進んでる。機械翻訳で原文から日本語への直接の翻訳は難しいけど、今後は機械翻訳による「棒読み」風の日本語を渡されることになるかもしれない。そして、ゲーム翻訳者のお仕事はその無味乾燥なテキストにキャラクターに応じたスタイルをつける「だけ」の仕事になるかもしれない。つまり、ゲーム翻訳者の仕事は翻訳家ではなく演出家に近くなるのかも。

または翻訳作家という新しいジャンルの誕生

そもそも原文の完訳を日本語にそのまま持っていくのが難しいのなら、一歩手前のバラしている段階で翻訳を依頼する方法もありかも、と気づいてるゲームメーカーさんもあるみたい。これ訳してね、っていう原文を渡されるのではなく、キャラ設定とシナプスと仕様を渡されて、これに合わせて話を書いて(!)みたいな仕事の依頼。自動車を左ハンドルのまま海外へ輸出するより、部品と設計図を渡して、現地仕様(右ハンドル)にして現地で組み立ててね、みたいなイメージ。確かにすごく理にかなってる。インテンションさえ伝えておけば、原文とは大きくぶれないハズ。ただ、発注側は翻訳側に相当の信頼を寄せていないとなかなかできないけどね。

結局今後ゲーム翻訳者を目指すにはどうすればいいのか?

おそらく、基本スキルとしてちゃんと一本の小説を書ききるスキルを求められる可能性が高い(稼ぐためにはね)。なのでゲーム翻訳者を目指す、またはクオリティを上げるには、今後は小説の書き方を勉強した方がいいということになるのかな。原文言語より出力言語のスキル比重が上がりそう(原文言語をおろそかにしていいということではない。ただし、原文言語の知識は変わらず必要と思われますぞ。ゲーム翻訳のテキストはストーリーだけではないので。今までと変わらず、マーケティングやSEO、その他の知識も必要だからね。

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