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Essay(Collable member)

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NPO法人Collableのメンバーが考えていることや週報などを載せています。
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記事一覧

つながりをうみだすために、「異なる文化のあいだに立つ」

登壇させていただいた対談イベントの内容が、本になりました!👏 (ぜひ買ってください。※私には印税入ってこないけど!) これは私だけでなくて、大阪大学COデザインセンターが主催するイベントでの対談集で、かつ、第2弾となる書籍です。 第一弾となるものはこちら(下記)から。 ちらみせ。 この対談では、インクルーシブデザインなどに取り組む背景としてある「障害がある人」と「障害がない人」との間を文化の違いと捉える、という立場のわたしと、大使館でのご経験をふまえ、研究、実践活動

この時期だからこそイベントをやる!と決めた人たち向けの、対策について共有したい

2月24日に、ピノキオプロジェクトのスピンアウト企画「ピノキオ防災」を開催しました。 ピノキオプロジェクトとは、つくばエクスプレス沿線の柏の葉キャンパス駅周辺を舞台に、2007年から開催されている、地域の子ども達が主役となって活動する参加型のプログラムのことで、柏の葉キャンパス周辺のみなさんと一緒に企画・運営しています。 ピノキオプロジェクトについては、かつて東大とミサワホームさんとの共同研究会で、松田朋春さんがご紹介くださったので、詳しくはこちらをぜひご覧ください。

イベント前夜の、静かな高揚感 #日々ぷち記録

柏の葉キャンパスエリアで毎年秋に開催されるピノキオプロジェクト。 今年は10月に開催予定だったのですが、台風19号直撃ということで、13年にして初めての中止となりました。 すごい素敵なポスターだったんだけどね。 テーマが「防災」だっただけに、企画準備が別の形で生かされたといいますか… それから2月。 従来の規模にはなりませんが、「ピノキオ防災」というミニイベントにして開催することになりました。本番前夜です。 私はこの3年ほどご一緒させていただいているのですが、この

マンホールで生きる社会の、絶望と希望

昨夜、ドキュメンタリーフェスティバルで上映されていた、「ボルトとダシャ マンホールチルドレン20年の軌跡」という、NHKで2019年に放映されたドキュメンタリーを観に行ってきました。 2019年にモンゴルに行く機会があり、まだまだ経済発展を続けていく途上国でもあり、一方でソ連崩壊の影響を受け、遊牧民文化という独特な文化が融合された、不思議なバランスの国だなと感じました。 個人的にはこの不思議なバランスで存在するモンゴルという国に強く興味を持ちました。ただ、5月の旅は障害者

スポーツジムはインクルーシブデザインの可能性にあふれている

今日はちょっと書こうと思った内容から少し変えて、マーケティングとインクルーシブデザインの間の子みたいな内容を書こうかなと思いました。 きっかけは近藤さんのこのツイート。 近藤さんは別の団体でカメラマンとして活躍されていて、そこで知り合いました。すごく素敵な写真や動画を撮られておるです。 そして近藤さんのYouTubeも拝見。 車椅子ユーザーということで、スポーツジム入会ができなかった話を語ってくれています。 彼みたいなアクティブな人にとって、そうやって断られたのはと

2019年、インクルーシブデザイン的取り組みの振り返り(後編)&2019年総括

2019年振り返り後編(2019年7月以降)です。 前編はこちらから。 某社さんでインクルーシブデザインワークショップ(※ここから「某社」と書く場合は事情があり内容について書けないので、そのときに考えたことだけを書きます) インクルーシブデザインの面白さを体感していただく機会を設けさせていただきました。 エンタメコンテンツを生み出すような方々が多い会社さまだったので、そこにひきつけてインクルーシブデザインの企画を設計しました。 徳島県立博物館さんのような、設計目標があ

2019年、インクルーシブデザイン的取り組みの振り返り(前編)

あっというまに2019年が終わろうとしていますね。年末年始休暇が長いせいか、この休暇期間にいろんな連絡が入っていてうなだれております…まだやり残していることがあるのと、ふるさと納税がまだです… 上半期何をしてきたのか、かんたんに振り返ってみたいと思います。細かいことはかなりいろいろあるのだけど、印象にのこった主要なものだけ書いていきます! 浦安市障害理解啓発動画の制作これはプラスハンディキャップさんと一緒に取り組んだ(というかプラハンの佐々木さんと私、そして撮影に小野澤峻

「障害ある子もない子も参加するワークショップ」を実現するのは難しい

今年度は残念ながら、こどもたちとのワークショップは1つもやっていません。(7年目にして初めてかも) 色んな事情があるのですが、それはさておき、これまでこどもたちとのワークショップは残していきたいなあと努力してきました。ただどうしてもうちのような零細NPOにはこの力はなかなかなくて、どれだけ頑張っても難しいことは多かったです。 ここ3年ほどは小学校に入ってワークショップをやっていましたが、これもなかなか継続させていくのは、内容に限らず学校の独特の環境や事情的に難しいなと思う

インクルーシブデザインが生み出す語りの三項関係

インクルーシブデザインでは、テーマに寄って様々ですが、障害のある方とのワークショップを行う場合が多いです。 一概にどんな障害のある人がリードユーザーになってくれるかはテーマによりますが、一般参加者や、企業のプロジェクトではそうした方々との接点がさほどない人が関わってくれることが多いです。 兄弟に障害のある人がいるとか、もともとそういう人と接点が多いとかだとその点はあまりやりにくさにならないのですが、多くの方の反応は「障害のある方と接点をもつのですか?(私は慣れてないし詳し

インクルーシブデザインにおけるファシリテーションの振る舞いについて

昨日、12月21日に開催したインクルーシブデザインワークショップの意図を書きました。 このワークショップを経て、そして今日別の機会で話になって気づいたのですが、ワークショップ参加者の語りを聞くときに「〇〇障害の人はこういう特徴がある!」という言い方をする人がそこそこいます。 一般化と個別化を往復する一般化しているとはいえ、実はワークショップ中は「視覚障害の〇〇さん」という存在から、ただの「〇〇さん」に変わっていくプロセスはよく見られています。これは経験数によらず、ほとんど

待ち合わせをデザインするワークショップにおける意図や裏話

さゆちゃむです。インクルーシブデザイン普及、多様な人たちとの共創の環境づくりのしごとをしています。 12月21日(一昨日)、久しぶりにインクルーシブデザインワークショップを主催で開催しました。 ワークショップにご参加頂いたみなさまにはお伝えしたのですが、今回じつは、6年前の同じ日に、同じワークショップをしていたんですね。ちょっと狂気を感じますね… ちなみに「インクルーシブワークショップ」となっているのは、シブヤ大学のWEBの規定上、文字数が多すぎたのでなくなく「デザイン

学生らしさとは何か(12月3週目振り返り)

今週は盛りだくさんでした。2月8日の上映会のプレ告知(もといバースデードネーションのお願い)と、昨日はワークショップ。合間で打ち合わせなどがあって、noteを書き続けるのもしんどくなってきたところです。 しかしなんとか3週間ほど継続できました。よかった。 そして今M-1グランプリを見ながら1週間の振り返りをします。 🐼 親亡きあとに取り残されたきょうだいの不安 障害のあるきょうだいに関するリサーチを少しはじめました。きょうだいという当事者として、自覚的に課題を持ち始

インクルーシブデザインに効く「態度」

今日はインクルーシブデザインワークショップを久しぶりに開催しました。 しかも、ちょうど6年前の今日、同じテーマでワークショップをしていて一種の狂気を感じています。(笑) インクルーシブデザインってなあに?という人が、少し身体で理解してもらえるような、3時間のワークショップを開催しました。 インクルーシブデザインは、デザインプロセスそのものに目がいきがちだし、非常に大事なのですが、6,7年くらい実践を続けてきて、態度の重要性を感じています。 今日は久しぶりにインクルーシ

コミュニティは、課題を解決しない。

先日めっちゃロックな記事を拝見しました。ロック、と安易に表現してはいけないのかもしれないけれど、とにかくすごくよかった。 コミュニティ関係のひとが、よく私を掴まえて「僕こんなにコミュニティが好きで、人の集まる場をを作りたいと思っていて」と2〜30分、一方的にしゃべってきます。もう途中から、傾聴者を私から壁にバトンタッチしたいぐらい。その時点でコミュニティ云々以前の問題じゃないのって思う。相手のことを慮るコミュニケーションを取ることよりも、自分のすばらしさ、がんばりを披露した