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Inclusive Design

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インクルーシブデザインを用いたソーシャルデザインチームCollableのメンバーが、Inclusive Design の視点から様々なことについて紹介します。 (Inclusiv…
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2019年12月の記事一覧

インクルーシブデザインが生み出す語りの三項関係

インクルーシブデザインでは、テーマに寄って様々ですが、障害のある方とのワークショップを行う場合が多いです。 一概にどんな障害のある人がリードユーザーになってくれるかはテーマによりますが、一般参加者や、企業のプロジェクトではそうした方々との接点がさほどない人が関わってくれることが多いです。 兄弟に障害のある人がいるとか、もともとそういう人と接点が多いとかだとその点はあまりやりにくさにならないのですが、多くの方の反応は「障害のある方と接点をもつのですか?(私は慣れてないし詳し

インクルーシブデザインにおけるファシリテーションの振る舞いについて

昨日、12月21日に開催したインクルーシブデザインワークショップの意図を書きました。 このワークショップを経て、そして今日別の機会で話になって気づいたのですが、ワークショップ参加者の語りを聞くときに「〇〇障害の人はこういう特徴がある!」という言い方をする人がそこそこいます。 一般化と個別化を往復する一般化しているとはいえ、実はワークショップ中は「視覚障害の〇〇さん」という存在から、ただの「〇〇さん」に変わっていくプロセスはよく見られています。これは経験数によらず、ほとんど

待ち合わせをデザインするワークショップにおける意図や裏話

さゆちゃむです。インクルーシブデザイン普及、多様な人たちとの共創の環境づくりのしごとをしています。 12月21日(一昨日)、久しぶりにインクルーシブデザインワークショップを主催で開催しました。 ワークショップにご参加頂いたみなさまにはお伝えしたのですが、今回じつは、6年前の同じ日に、同じワークショップをしていたんですね。ちょっと狂気を感じますね… ちなみに「インクルーシブワークショップ」となっているのは、シブヤ大学のWEBの規定上、文字数が多すぎたのでなくなく「デザイン

インクルーシブデザインに効く「態度」

今日はインクルーシブデザインワークショップを久しぶりに開催しました。 しかも、ちょうど6年前の今日、同じテーマでワークショップをしていて一種の狂気を感じています。(笑) インクルーシブデザインってなあに?という人が、少し身体で理解してもらえるような、3時間のワークショップを開催しました。 インクルーシブデザインは、デザインプロセスそのものに目がいきがちだし、非常に大事なのですが、6,7年くらい実践を続けてきて、態度の重要性を感じています。 今日は久しぶりにインクルーシ

なぜ私がインクルーシブデザインに関心を持っているのか(自己紹介シリーズ)

こんにちは、さゆちゃむです。普段はNPO法人Collableの代表理事として、インクルーシブデザインの普及を中心としたしごとをしています。 昔は自身がどのような背景でこのテーマに取り組むようになったのかは語りまくっていた気がするのですが、最近はめっきりなくなってしまったので、書いてみようかなと思います。 なぜなら今日は誕生日だから👏👏👏 たぶん珍しい家庭環境88年生まれ。大分県出身と言っていますが、出生地は長崎県生まれです。生まれてまもなく大分県にうつったから大分出身に

"インクルーシブ"が含めはじめたムスリムの事情

先日こんな記事を目にしました。まずは海外の記事。 Nike Is Launching Modest Swimsuits(ナイキが控えめな水着を発売) "modest"というキーワードは、ムスリムの女性たちの間で、「より配慮のある肌を見せないファッション」を意味する"Modest Fashion"の文脈で出てきます。まさに「控えめな」という言葉の意味です。 その後日本語の記事も出てましたね。 記事によると、2017年にナイキは「プロヒジャブ(アスリート用ヒジャブ)」を発

インクルーシブデザインと高齢化社会の関係

インクルーシブデザインについてレビューをしていくと、「イギリスが発祥」という話はよく言われます。 そしてインクルーシブデザインといえば障害のある人と「ともに」あるデザインというイメージも多くの人が持っています。 しかし、実はこのインクルーシブデザインの背景には、高齢化社会の問題が発端としてあることを今日は整理したいと思います。 イギリスの高齢化に関する問題とDesignAgeインクルーシブデザインの書籍の中でも非常に貴重な資料が、財団法人たんぽぽの家が2006年に発行し

インクルーシブデザインの「巻き込まれてもらう」難しさ

さゆちゃむです。昨日、乙武さんの義足プロジェクトについて関心をもった結果、下記のような記事を書きました。久しぶりに4000字超えた… 開いて「まじで文字多いじゃん無理」という人もいたかもしれないけど、読んでくれたひとは「めっちゃいいねこれ!!!!!」という興奮冷めやらぬコメントを頂いております。私の興奮がそのまま伝わったようなリアクション本当にありがとうございます。私すごい!これはよすぎる!と思ったものを押し売るようにレコメンドしてうざがられるので自信になりました…苦笑