上京


京都府で生まれその後滋賀県に引っ越して小4の夏まで滋賀県にいた私。バリバリの関西育ちで家の周りにあるのは田んぼと川。小学生が遊ぶ場所なんてそれぐらいしかない。中学生ぐらいになったらイオンに行ったり京都に行ったり。
そして半年間名古屋に住んだ。都会だった。言葉も文化も環境も違ってかなり驚いた。でも2日で名古屋弁を覚え関西弁が嫌いになった。
そして小5の春、上京した。きっと地方に住んでる人なら誰しもが憧れる街、東京に住んだのだ
その中でも私は新宿に住んだ。テレビでしか見たことの無い新宿に住んだ。人は多いし電車は複雑だし物価は高いし治安は悪いし。きっと新宿はいい所も沢山あるのに上京した当時は到底感じられなかった。
上京1年目、東京がとにかく嫌になった。そりゃそうだ、ド田舎の滋賀県で育ってきたんだから。
「滋賀に帰りたい」「もう東京なんて嫌だ」何千回と思った。
でも親に言われた言葉がある。「もう滋賀に帰る居場所は無い」「私達はここで生きていくしかないんだよ」と。
その言葉を聞いて私は滋賀に帰りたいという気持ちを塞ぎ込んで東京という街に慣れようとした。
色んなことを経験した。芸能人にも遭遇した。原宿や渋谷に行くと目をキラキラさせていた。

あれから12年。もう滋賀に帰りたいとは思わなくなっている。東京が好きになった。沢山の人と出会い、その分別れもあったが今ではひとつの故郷となった。
東京に出てきたことがこの先の人生でプラスになるのかマイナスになるのかは分からない。
でも東京で過ごしてきた過去はこの先の財産になるだろう。

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