居候の友人
「すごい、同年代の男の子の部屋なんて新鮮だわ! ねえねえ、私知ってるのよ? ベットの下には宝物があるのでしょ」
お友達に教えてもらったの、と胸を張る紗良に星(ショウ)は苦笑いを浮かべた。
もう少し緊張してくれてもいいんだケド、なんて思いつつも居候がいつの間にか作ってきた世間知らずの友人は、なかなかどうして面白い。
「そんな偏った情報どこで手に入れてくるのさ。いや、あながち間違っちゃいないんだけど」
「ほら! 見つけたわ!」
「……へ? ってそれただの道具箱だよね、もはや部屋の隅に置いてあるだけのいや、ちょ、持ち上げなくていいから、見えてる見えてる! お願いやめて!!」
この、馬鹿力。
星は心の中で毒づくも、自身のとびきり愛らしい表情作りは忘れない。
「あら! これは何かしら? 面白いデザインの箱ね……ええっ!? ショウあなた、この箱喋るわ!」
「それは前に学校で作ったラジオだよ」
今日はお友達が来るから、お土産を用意する間もてなしといて、なんて言葉を残して家を飛び出していった居候。
ヤツが戻ってくるまでその笑顔がもつかどうか。
星は、ほんの少しだけ頬がひきつるのを感じていた。
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