魔封波は一発で変換出来る

虎、象、アイリスオーヤマなど、獣の名前が付きがちな湯が沸く系家電であるが、しばらく前から内釜の底のコーティングが剥げ、雨は降り続き、蓄えていた食料も尽き、味方本隊との連絡も途絶え、脚は萎え、髀肉の嘆で、なんか色々あった末結果的にごはんちゃんがこびり付きまくるようになり、炊事の中の一番面倒な一時がプリコメタキング(pre rice takking)という事になっていた。

思えばmakeup may be flakingとかいう事態になる前からのここ数年、米を炊くのが面倒で仕方がなかった。(冷蔵庫に生姜はある)

米主体の米を中心とする米ありきの所謂日米同盟の如き日米同盟締結以前から続くなんというかこの、なんというんかね、オカズとゴハンによるこの、いかにも日本なあの食スタイル、えーと、握ればお握りになれそうなソレ。
そう、そういう感じ。
いや、焼肉でもイケるな。
焼肉はお握りに…なるな。
おれは何も間違ってなかった。
無駄な謙遜をかました。

ずーっとね、なんで米を炊くだけの事が面倒なんだろう?とか、なんでこんなに麺とかパンとかの比率が高いんだろうと思ってたの。

三号炊いたら食い切らない。

「それはお前が酒飲みだからだ!」

よし、粛清。そういう事を言うやつは一旦粛清。

ジウは薄々前から感じていた。

言葉にならないままに。

ジウ?

実は薄々前から感じていた。

言葉にならないジウ。

今日ついに少し調べてみた。

「タイガーマイコンジャー炊きたて」

あったかごはんの前にくっつける言葉の羅列としてこれはどうなのかと我に返ってしまった今ではすんなり受け入れる事など出来ないがその話は粛清。

ライオンは歯を磨くし日本の猛獣事情はどうなっているのか!

最近丁度プラレス3四郎を読んでみたところだが、そこにも出てきたマイコンという言葉の古めかしさは凄い。

炊飯器の世界でもついにマイコンを主流から追い落とす新勢力が出てきているのだ!

IH炊飯器!!

(いや、お前らも確実にマイコン入ってるだろ)

〜中略〜

これまで釜の下部を伝熱アタックしてたのを、IH(が何かはよく分からんが)で釜全体を熱する事により(略

しかしここで案の定余計なものを付けてくるのが話題の新製品。

IH加圧炊飯というのが今流行りらしい。

加圧するともっちりするが、柔らかめになりがちだと言う。

東芝だけは加圧の圧に逆らっているというゲリラ情報も得た。

新製品が野菜っ!ケーーーズデンキっ♪

に行ってみた。何屋のつもりなのか?

炊飯野郎たちの列を眺めて回ろうとしたら最初の一つ目が東芝であった。

お手頃価格であった。

三合炊きで三合炊くと窮屈だから五合炊きが良かった。

そいつは五合半炊きであった。

思えばこの「半」というのは窮屈さ解消のための半なんじゃないかとついに理解したような気がする。

レジの姉ちゃんはめちゃくちゃ色白で米関係家電を売りさばくのにうってつけのアレであった。

玄米の話は粛清。

「こういうのって、内釜だけでも買える?」

「買えますよ、取り寄せになります」

もう遅いのだ。

というか結果から言うと、IH非加圧炊飯器で炊いたいつもの安物無洗米は別人であった。

おれは喜んでプリメシタキン'する人に変貌した。

あとは上の内蓋みたいなやつをこまめに洗う人に変貌すれば私の中のアカくない部分の粛清は完成される。

これ正に魔封波。

日米同盟と赤化が同時に推進される魔のmeshi-takker也。

一方その頃ドイツでは…。

続く

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