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数とにらめっこ

ドラムの小田晃生です。
2020年3月2日(火)に書いています。
風が強くて、雨の音がぱらぱら。花粉症で目がごろごろ。


視野がぎゅーっ

コロナ禍で大きく変化したことは、やはり人との交流を絶たれたことかなと思います。それによって、僕の中で見付けた影響のひとつに『数』の問題があります。

投稿へのいいね数。フォロワー数。YouTubeの登録者数。配信音源の再生回数。インスタライヴのリアルタイム視聴者数。ネット投げ銭の金額。そんな数々の『数』に一喜一憂したり、お願いします!お願いします!と、それらを促す宣伝を繰り返す。これまでも当然のPRとしてやってきたことではあるのだけど、このコロナ禍で、誰かの反応を直に受け取れる機会が無くなってしまったことで、自分のやっていることが、なんだかおかしいような気がしてきてしまいました。

『数』には、良くも悪くも明快な説得力があります。安心感やモチベーションに繋がったり、結果や評価とも取れます。だけど僕はそもそも数を集めるのが下手くそ。うまくいった試しがありません。難しいなあとは思っていたけど、この1年間は今まで以上に数とにらめっこばかりしていて、だんだんその向こう側にいるはずの人の姿を見失ってきたような、視野がぎゅーっと狭まるような、そんな感じがしています。そして、『数』に愛されないことが、ダイレクトな自信喪失になっています。

違うぞ、イカンイカン。そんなことに負けてなるものか、と、ここ最近は心を整理整頓して言葉にしています。
人の気持ちは、そもそも数じゃない!と。

この世界に相手にされてない

人は気持ちは、そもそも数じゃない!
当たり前か。
しかしながら前述の通り、数字の力はすごい。どこかで確実なものを感じたい、説得力を得たいと思ってしまう。不安だから。
でも、『数』として浮かび上がらない心が沢山あるはず。だって、僕自身も、好きな音楽、映画、本、テレビ、ラジオ…心に留めてる趣味趣向、いっぱいある。でもさ、なんだか恥ずかしいんだもの。手の内を隠したいんだもの。
僕は昔、人前でしゃべると顔が赤くなるくらいにはシャイで、けど同時にすごく目立ちたがりでもあるという、妙な性格でした。今の自分は、いつからか「音楽」という武装をして、人前に立てているだけなのだと思います。
ホントは、僕がSNSで「〇〇が好き!応援してる!」って書いたら、それで励まされる誰かがいるかもしれないと思いつつ、なんか出来ないこと、いっぱいある。クラウドファウンディングやってるの知ってても、数百円を出すことを躊躇ったり億劫に感じてしまうこともある。

自分が作るものや関わって世に出したものが、ちゃんと世界の何処かに引っかかって、死んでも何か残せたらいいなあ。未だ中途半端で、目前の暮らしもままならない僕だけど、烏滸がましくもシンプルに願いを込めて音楽を作っています。
『数』は残酷で、恐ろしい。「この世界に相手にされてないのではないか」と思ってしまう。
実際そうだったとしても、目に見える数字や稼ぎだけでそんなふうに諦めてしまいたくない。もちろん大きな『数』に安心はしてみたい。でもそれより、これまでソロやチームでやってきたこと、これからやることをもっと信じたいし、面白がりたい。数字が多いヤツだけにしかパワーが無いなんて、思考停止した選挙みたいで僕は嫌です。
そう、人は気持ちは数じゃないし、人は数えられて済まされる存在じゃないんだぞ。

意見くれ!感想くれ!

僕は、『数』を集めるのが下手くそなんです。だから、仕方ないよね。ゆるしてちょ!
…という言い訳で、創意工夫を忘れてはいけないな、とも思います。この1年、じわじわと侵食を感じた、『数』の為に生きてるみたいな気分からは解放されたいけど、うまく参考にして、付き合っていきたいとも思います。数集めも頑張る。そしてそれを全てにせず、出来ればやっぱり、個々の様々な意見感想がもらいたい。

主にソロに関して、最近僕は、しつこく皆さんに「意見くれ!感想くれ!」と言い散らかしています。でもこれは、COINNも一緒。活動が10年を越え、続けてきたことの価値を感じながらも、いまいち認知が広がらない。悔しい。このままではいけないのではないか?...メンバーと、しこたま話し合っています。それぞれのアイデアもあるけど、思うように集まれないのがもどかしい。このまま目標が無いと、次第にバンドがフェードアウトしてしまうんじゃないかとも思わされます。
だから、きっといらっしゃるであろう、僕みたいなシャイ仲間の皆さんにも、呼びかけは続けさせてください。勇気が湧いたら皆さんの言葉で、どんな経路でもいいので思うことを伝えてもらえたら嬉しい。キレイにまとまってなくても、すごく短くても良いし、褒めの言葉だけじゃなくても。
そこで編んでもらえた気持ちや言葉は、ただの「1」ではないと思うのです。


COINNの2020年の投稿
「おとなの皆様へお願い」
https://www.coinn.jp/news/#2176

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