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CoinEx|ADAがわずか1年で30倍を達成した理由とは?

昨年のADAはどのくらい高騰しただろう?2021年8月31日、ADAの価格は2.78ドル、時価総額は908億ドルに到達した。ちょうど一年前には、それぞれ0.116ドルと30.02億ドルという数字でしかなかったのだ。この12ヶ月間でADAの価格は2,400%近く高騰し、時価総額は3,000%以上も上昇した。8月にCardanoは、来る9月12日にスマートコントラクトを開始することを発表した。それ以来、ADAの価格は1ヶ月で160%も上昇し、3番目に価値のあるトークンとなった。

ADAとは?最近の急上昇の背景を探る


ADAは、Cardano(以後カルダノ)のネイティブトークンである。Ethereumのように、カルダノは大規模な商用アプリケーション用のパブリックチェーンのインフラを目指している。年数で言えば、ADAはこれまでにローンチされたトークンの中でも最も早いものの1つである。しかしながら、賛否両論があるトークンでもある。ADAは以下のような多くの利点がある。

(1)ADAは一流の技術チームに支えられている。

ADAのキーパーソンは、Charles HoskinsonとAggelos Kiayiasである。暗号アルゴリズムの訓練を受けたCharlesは、初期のBTCマイナーの1人で、2013年の初めにブロックチェーン起業家となった。その年の後半には、イーサリアムに参加。カルダノのもう1人のコアメンバーであるJeremy Woodと同様に、Charlesもまたイーサリアムの初期創設メンバーの1人となった。Aggelosはエジンバラ大学のCyber Security and Privacyの講座とBlockchain Technology Laboratoryのディレクターを務めている。彼はまた、ブロックチェーン技術企業であるIOHKのチーフサイエンティストであり、アテネ大学の暗号学とセキュリティの准教授でもある。技術的能力という点では、カルダノのチームはほかの追随を許さない。

(2)野心的なビジョンに突き動かされ、カルダノは充実した計画を立てている。

イーサリアムの開発に直接立ち会ったCharles Hoskinsonは、イーサリアムのようなスマートコントラクトのパブリックチェーンでは、スケーラビリティ・クロスチェーンの相互運用性・エネルギー消費などの課題は避けられないと考え、これらの問題を解決するためには、新たなプラットフォームをゼロから設計することが良いアプローチだと考えた。だからこそ、カルダノチームは、プロジェクトの初期段階から包括的で先見性のある計画を立てた。カルダノは次で述べる5つのステージで「第3世代のブロックチェーン」の実現を目指している。

①Byron:カルダノの第1レイヤー
②Shelly:このステージでは、カルダノを完全に分散化された自律的なシステムにすることを目指す。
③Goguen:このステージでは、独自の計算レイヤーを持ち、金融や取引のスマートコントラクトを可能にする。
④Basho:このステージでは、パフォーマンスとスケーラビリティに重点をおく。
⑤Voltaire:このステージでは、持続可能性とself-soverein identity(自己主権型アインデンティティ SSI)に重点をおく。

カルダノが5つのステージをすべてクリアした暁には、イーサリアムを超える可能性があると予測されている。

(3)カルダノは学術界と密接な関係にあり、政府や規制機関(特に日本)とも良好な関係にある。

また、他のブロックチェーンと異なり、技術を重視するカルダノチームは、複数の一流大学と密接な協力関係を維持している。透明性の高い開発プロセスに加えて、カルダノはアカデミックコミュニティの同業者を招いてコードをレビューしてもらっている。このような厳密な技術的アプローチにより、カルダノのネットワークはより安全になった。政府の「取り締まり」に常におびえている他のブロックチェーンプロジェクトとは異なり、カルダノは政府との良好な関係のおかげで、実現可能な環境の中で成長し続けている。

カルダノにはこれだけのメリットがあるのに、なぜ賛否両論なのか
野心的なビジョンがあるにも関わらず、カルダノは技術開発の遅さで常に批判されてきた。2015年に設立されたカルダノは、6年間もスマートコントラクト機能を立ち上げることができず、DAPP開発を可能にすることができなかったため、かつては「死んだ鴨」と呼ばれていた。この6年間、パブリックチェーンのインフラ上でアプリケーションはほぼ見られなかった。一方、同じパブリックチェーンインフラであるイーサリアムの隆盛はご存じの通りである。2017年のICOからDeFiやNFTのブームまで、イーサリアムのオンチェーンアプリケーションは隅々まで痕跡を残している。さらに、新しいパブリックチェーンでもあるPolkadot(ポルカドット)も優れた実績を残している。イーサリアムとポルカドットの成功は、カルダノを陰に追いやっているのだ。

これとは別に、2018年には、カルダノの商業部門(Emurgo)が「資金の不正流用」というスキャンダルに見舞われた。同年、カルダノはアフリカ市場に進出した。エチオピア政府と協力し、同国の教育システムを改善し、教育分野で学業成績を記録するための学生用デジタルIDを開発した。注目すべきは、これらのデジタルIDが卒業後も学生の日常的なサービスに提供できるという点である。一方カルダノは、地域の農業、輸送、小売業のニーズに応えるため、偽造防止製品やサプライチェーン製品を開発し、消費者に「畑から食卓まで」追跡可能な認証農産物の提供を行った。これらはいずれも素晴らしい施策であるが、カルダノは「空約束をしている」と批判もされている。そのため、高騰する市場価格に対して技術開発が遅いのは、ほとんど哲学的なものであるという人もいる。

もちろん、最も直接的な理由は、カルダノが発表した「スマートコントラクト」機能の立ち上げである。スマートコントラクトはパブリックチェーンにとって必要不可欠なものであり、ブロックチェーンの応用を成功させるための鍵となっているからだ。カルダノがパブリックチェーンのインフラの中で際立つ存在になれるかどうかは、Goguenステージの段階でスマートコントラクトを立ち上げることができるかどうかにかかっている。このカルダノのミッシングピースが、ついに埋められようとしている。その後の市場の盛り上がりの中で、ADAは大規模な投資によって衝撃的な価格高騰を実現し、それが印象的な市場価値の最大の理由となっているのである。

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