子供の頃から必ず見る夢がありまして…
真っ暗な闇の中を壁伝いに手探りで歩いている。
わずかな光もない、目の前にかざした自分の掌さえも見えない漆黒の闇。
手に触れる壁の感触は、ゴツゴツとした岩肌のそれとは違う。靴は履いており、足場は決して悪くはない。
「おーい!」
返事はない。
さほど響くこともない。
やはりここは室内なのだろう。
風はなく、しーんと静まり返った空間は、不安を煽るかのように湿った空気で埋め尽くされ、ひんやりと冷たい。
しばらくすると突然、踏み出した足のつま先が壁にぶつかる。
曲がり角か?と思っ